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2019年の漢字は「令」

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1年を漢字1文字で表す「今年の漢字」。2019年は新元号令和の「令」だった。

日本漢字能力検定協会は12月12日、2019年の世相を表す漢字に「令」が選ばれたと発表し、世界文化遺産の清水寺(京都市東山区)で森清範(せいはん)貫主(かんす)が、縦1.5メートル、横1.3メートルの和紙に揮毫(きごう)した。

「今年の漢字」は1995年から毎年、同協会が公募し、最も多く応募が集まった漢字を発表するもので、今年で25年目となる。応募総数21万6325票のうち、「令」が最多の3万427票を集めた。「令」和の典拠は日本最古の歌集『万葉集』(759年)とされ、国書から採用されたのは初。改元に続いて即位礼正殿の儀や大嘗祭など即位関連儀式が催され、平成から令和につながる新時代の幕開けを彩った。今年は10月の台風19号などの災害も多く発生したが、警報発「令」、避難命「令」としても使われた。

2位に入ったのは「新」。選定理由として、東京五輪・パラリンピック開催に向けた「新」国立競技場の建設や、スポーツ界での「新」世代の活躍が挙げられた。男子プロバスケットでは、6月に米国NBAで日本人初となるドラフト1巡目指名を受けた八村塁選手(ワシントン・ウィザーズ)や、女子プロゴルフでは8月にAIG全英女子オープン参戦した渋野日向子選手が初海外ツアーで初優勝を決めた。そのほか、キャッシュレス決済などの「新」しい支払い方法や消費税増税など、さまざまな「新」制度が目立った1年だった。

3位は「和」で、新元号の令「和」以外にも、ラグビーW杯日本代表のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチの掲げたスローガン「ONE TEAM」など、つながりや調「和」を連想させることが理由として挙がった。

2019年「今年の漢字」上位10字

1位 令(レイ・リョウ/いいつけ・おさ・よい) 30427 票
2位 新(シン/あたらしい・あらた・にい・さら) 14850 票
3位 和(ワ・オ・カ/やわらぐ・やわらげる・なごむ・
なごやか・なぐ・あえる)
10281 票
4位 変(ヘン/かわる・かえる) 7749 票
5位 災(サイ/わざわい) 7302 票
6位 嵐(ラン/あらし) 7029 票
7位 水(スイ/みず) 6247 票
8位 風(フウ・フ/かぜ・かざ・ならわし・すがた・ふり) 5996 票
9位 天(テン/あめ・あま・そら) 5101 票
10位 税(ゼイ・セイ/みつぎ) 4142 票

1995年から2019年までの「今年の漢字」

バナー写真:「今年の漢字」に選ばれた「令」を揮毫する清水寺の森清範貫主=2019年12月12日、京都市東山区(時事)

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