海外からの高評価がきっかけで再ブレイク

意匠、建築、眺望、全て素晴らしい梅田スカイビルだが、一時人気が低迷していた。
その理由を、管理・運営する積水ハウス梅田オペレーション株式会社で企画広報を担当する高瀬奈々(たかせ・なな)さんはこう分析する。

「梅田スカイビルが竣工した1993年は、ちょうどバブル崩壊直後。その影響が大きかったのかもしれません」

確かに、その後も長引いた不況によって倹約ムードが続いた日本では、前衛的な高層ビルをバブルの残り香のように感じた人が多かったかもしれない。
93年7月のオープンから半年で約103万人、94年度は約108万人と、当初は客足も好調だったが、次第に入場者数は減少し、2003〜06年は年間50万人を割り込んでしまった。

完成から20年以上経っても、前衛的な建築の魅力は色褪せない

ただ、そうした状況下でも、管理者サイドでは悲観していなかったという。

「スタッフはみんな、梅田スカイビルのことを『素晴らしい建築物だ』と自信を持っていたので、もっと評価される日が必ず来ると信じていました。ですから、日本だけでなく、世界中の方に一人でも多く訪れてもらいたいとさまざまな努力を続けていたのです」(高瀬さん)

高層ビルでは珍しい、屋根や窓がないオープンな展望台。風を感じながら壮大な景観が望める

そんな願いが成就したのは、まさに海外での高い評価がきっかけだった。
08年、英紙『THE TIMES』で、アドレナリンが止まらないスリリングな演出の建築と美しい眺望が認められ、パルテノン神殿やタージマハール、サクラダ・ファミリアと並んで「世界の建築 TOP20」に選ばれたのだ。その後も、世界的人気を誇る英語旅行ガイド「ロンリープラネット」で、「大阪で一番のお勧めスポット」として紹介され、360度見渡せる展望台や空中エスカレーターが絶賛されている。
そうした評価が口コミやネットで広がり、海外の旅行客や建築愛好家たちに認知され、ブームが到来したのだ。

空中エスカレーターの内側。シースルーなので、まるで天に昇るよう︎!?

「08年以降、海外のお客様が急激に増えました。ちょうど同時期に、竣工15周年ということもあって、私たちも施設のリニューアルや集客に力を入れていたのが相乗効果になったと思います。その後は、どんどんお客様が増え続けて、14年には社内でも、『この調子で、また100万人の入場者を目指そう!』という雰囲気になったんです。それが、翌15年度には121万人も入場していただき、見事に達成することができました」(高瀬さん)

日没時は、夕陽が美しい西側のデッキが大人気になる