全ての取り調べ、あらゆる任意の事情聴取でも録音を
また、起訴勾留中に別の事件について”任意”の取り調べを行う際、捜査側が「録音録画は義務ではない」としている点も、考え直す必要があるだろう。現実に身柄拘束が続き、24時間捜査機関に管理されている状態を、在宅と同じ扱いにするのはやはり無理がある。裁判で任意性が争われた時、「任意だから録音録画しなかった」では済まないのではないか。今後、実際の事件でこの点が争われた時には、裁判所は適切に判断し、捜査側に再考を促してもらいたい。
取り調べや事情聴取の状況を録音しておけば、調書や捜査報告書などの記載がより正確になる。適正な取り調べをしていれば、それが容易に証明される。可視化は、捜査機関にとっても悪いことではない。私は法律で義務付けられたもの以外にも、全ての取り調べやあらゆる任意の事情聴取について、まずは録音を行うべきだと思う。
録音だけなら大がかりな装置も必要なく、小さなICレコーダー1つで実施可能。事件を認識した直後から行われる警察官の聞き込み捜査も、すべて録音しておけば、記憶が新しいうちの証言を正確に記録しておける。通常でも、3000円台で1000時間以上の録音が可能な機種がある。都道府県の警察ごとに入札して一括購入すれば、さらに安く買えるだろう。全国の警察官は約26万人。1台3000円として、1人1台ずつ配って7億8000万円だ。これで誤った捜査や裁判が激減するのであれば、安いものではないか。
バナー写真:取調室の様子が写し出された別室のモニター画面。右の人物は容疑者役の警察職員=2016年3月、東京都内の警視庁施設(時事)
