台南に残っている日本の面影
台湾の移民署の統計によると、2015年1月現在、台南にロングステイという形で登録をしている日本人は746名だ。台南で永住権を取得した日本人も増加し続けている。台北に比べれば決して多い数ではないが、急増傾向にあることは間違いない。
日本ほど便利で清潔な場所はない。世界中の美味しい料理を堪能することも、最先端の情報や文化に触れることもできる。台湾人にとっても旅行先として一番人気があるのは日本だ。
その日本を飛び出し、なぜ日本人は台南に向かうのか。台南にいる日本人たちを通し、その答えが少し解ったような気がする。それは例えば、ご飯を食べたかと心配してくれるお隣さんや廟の前で夕涼みするおじいさんたち、住民たちが手作りで盛り上げるお祭りなど、日本の昭和の頃や田舎で見ることができた街や人の情景が台南にあるからではなかろうか。人生80年と言われる長寿の時代。物質的な豊かさよりも、「スローライフ」に代表されるような、心の豊かさを大事にした生き方を選択する人が増えてきた。
台南はどんな人をもたおやかに優しく包み込む、母のような奥行きの深さを持っている。人肌を感じさせる温かな風が流れ込む台南という地に、これからも多くの日本人が魅せられ、移り住んでいくことだろう。
