赤米と伊根

冒頭でもご紹介したが、「海の京都DMO」地域には、栽培されることの少ない古代米があるが、その中でも伊根町の向井酒造はこの古代米を使って「伊根満開」という紅米酒を造っている。向井酒造は伝統的な日本酒の酒蔵の一つで、260年の歴史がある。他の酒蔵と違うのは、杜氏(とうじ)が女性であること。看板商品の「伊根満開」は桜の花のような色合いだ。清く澄んだ赤い酒でワインのようなほのかな果実の香りもあり、口当たりは繊細。女性の間で特に人気が高い。

向井酒造(撮影:林 亦峰)
伊根満開(撮影:林 亦峰)

伊根町は海に面した小さな町で、最大の特色は「舟屋」、つまり船を停泊させられる家々だ。伊根の舟屋群は江戸時代に形成された。かつては舟小屋と呼ばれ、船や漁具を置いて乾燥させる場所だった。80年前に道路拡張工事が行われてから現在のような外観になり、その特殊な景観により国から「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されている。

伊根湾には約230棟の舟屋が残されている。漁師は少なくなってしまったが、舟屋の数はかつてと同じ数を維持している。現在は一部の舟屋が飲食店や民宿に改装しており、独特の雰囲気は旅行客らに好評だ。ここでは海を望む暮らしを体験できる。

伊根湾(撮影:林 亦峰)
舟屋(撮影:林 亦峰)