式が忙しいのも、家族のつながりが強いから

式の進行は僕の友人たちに全面的に協力していただいた。茶人でありピアニストでもある黎瑞菊さんに司会を、普段台北101のレストランで演奏されている葉昶氏に伴奏を、プロのカメラマンである蔡宗昇氏と林太平氏に撮影を、それぞれお願いした。作家の一青妙さんからも祝辞をいただき、イラストレーターの佐々木千絵さんに代読してもらった。

出し物としては、台南の有名なティーショップ「奉茶」のオーナーであり詩人でもある葉東泰氏が僕らのために書いた詩を読んでくれ、また「囍」の字が書かれ、中に茶葉の入った青花磁器を贈ってくださった。ふたは赤いシールで封がされているのでこれを「封茶」という。一種のタイムカプセルのように、何十年もたってから開けて中の茶を楽しむものだそうだ。他にもプロのビリヤード選手として活躍されている北山亜紀子さんにカーペンターズの歌を歌ってもらい、ぼくも沖縄三線で「涙そうそう」と台湾民謡「望春風」を歌った。最後にヤマサキタツヤさん、青山京子さん、いいあいさん、佐々木千絵さんと、プロのイラストレーターが4人も日本から参加してくださっていたので、会場の皆にジャンケンをしてもらい、勝ち抜いた4人に彼らが似顔絵を描いてあげるという余興も行った。

「封茶」を行う新郎新婦(提供:大洞 敦史)
北山亜紀子さんと共に歌う新郎(提供:大洞 敦史)

こうした出し物は台湾ではほとんどないので、皆さんに楽しんでいただけたようだ。この日の模様は佐々木千絵さんの著書『LOVE台南』(祥伝社)でもリポートされている。

僕らが経験した結婚式までに至る一連の過程は、ある程度、普通よりは簡単に省略した形ではあったが、それでも毎日目が回るほどの忙しさだった。もしも何から何までしきたり通りに進めようとしたら、気が遠くなるような時間と労力を要するに違いない。両家の家族が総出で取り組まなければできないことだ。古い伝統が今もなお生きているのは、家族同士のつながりが日本よりもずっと緊密な台湾だからこそなのだろう。

将来、妻の妹か弟が結婚すると時は、きっと僕の時よりももっと正式な形で進められることになるだろう。それに参加するのが今から楽しみだ。機会があればまた続編として報告したい。

新郎新婦(提供:大洞 敦史)
バナー写真提供:大洞 敦史