近年相次ぐ書店閉店のニュース

「金石堂は2000年、ネットによる販売をスタートさせて台湾で初めてのリアル書店とオンライン書店を併設する書店となりましたが、それ以来、その両方の良さが相乗効果を生むことを期待した『虚実統合』ビジネスを進めてきました。さらに書籍だけでなく、カフェやイベント会場など多目的空間を設け、読者に交流の場を提供することにも力を入れてきました」

金石堂業務本部の汪信次協理はこう述べて、環境が目まぐるしく変化する中、常に新しい取り組みに挑戦し、時代の先頭を行く書店づくりを心掛けてきたことを強調する。

作家たちのサインが書かれたイベント会場の壁(撮影:木下 諄一)

しかし、不動産契約の延長はされなかった。重慶南路のかつての有名書店が次々とホテルに変わっていることから、金石堂までもホテルになるのかという噂が一部で飛び交った。

どうして金石堂は閉店せざるを得なかったのだろうか。

ある人は「今の時代、多くの人は本をネットで買っているから」と、原因は消費形態の変化にあるという。確かにネットは便利だし、リアル書店より値段も安い。

しかし、ネットショップの売り上げを見ると、驚くことに大手でさえ大幅に落ち込んでいる。

考えられるのは、本を読む人が減ったということだ。台湾で書籍の売上は2012年に352億元(1元約3.6円)だったのが、わずか5年後には182億元と約半減している。一方、不動産賃貸料の上昇率は毎年平均で約5%。これではどう考えても経営難に陥る。

それを証明するかのように、ここ2、3年、台湾中で誠品書局、ジュンク堂書店、明儀倉庫書店、諾貝爾書城といった有名チェーン店の支店や淡水有河Book、天母書廬、大路書屋などの独立型書店が次々と閉店している。この原稿を書いている間にも、僕が以前よく通った旅人書房 Zeelandia Travel & Books閉店のニュースが飛び込んできた。一体どうなっているのか。