日本で観光とライブをセットで楽しむ

東京と台北両方にあるライブハウス「月見ル君思フ」。東京では台湾のアーティストが頻繁に、台北では日本のアーティストがライブを行っている。主催者は2地域のアーティストを一緒に中国も含めてツアーを行い、台湾アーティストのCDリリースにも積極的だ。

面白い現象がある。2018年、台湾で最も若者の支持を得た草東没有派對(No Party For Cao Dong)というバンドが東京でライブを行った。彼らは日本では全くと言っていいほど活動していないにも関わらず、あっという間にチケットはソールドアウト。当日は多くの若者が台湾から来ていた。日本で観光をしながら大好きなバンドを見る、そんな動きもあるのだ。

五月天もそうだ。18年に日本武道館での2日間のコンサートチケットを売り切り、19年は4月に大阪城ホールで2日間行なう。ビートルズがライブをした日本武道館でコンサートを行うことは彼らにとっても特別なことで、中華圏から観客が来ることで商業的にも可能になった。

草東没有派對(No Party For Cao Dong)
草東没有派對(No Party For Cao Dong)

台湾は今も良質の音楽を生み出す中華圏のメッカだが、中国からも才能のある若いミュージシャンが続々出てきており、台湾の音楽業界の人は「5年後の状況が今と同じかどうかは分からない」と言う。また台湾には、中華圏全体で活躍するアーティストもいるが、台湾独立を主張することで中国では活動できないアーティストもいる。

小さいながらも豊かな音楽を生み出す台湾と、われわれ日本人はどう関わっていくのか。それは台湾の向こうにある巨大市場の中国大陸など中華圏全体を見ることでもあるのだ。

バナー写真=盧廣仲(クラウド・ルー)