民間クジと伝統市場

1895年の地図にすでに登場している「民安路」を潭底溝から北へ進むと、左側に賑やかな伝統市場「四維市場」が広がっている。

市場の中を歩いていると、薬局の店先に見慣れない新聞のようなものが並んでいた。

「大家楽」の予想紙。『台湾人』という名前のものもあった(筆者撮影)
「大家楽」の予想紙。『台湾人』という名前のものもあった(筆者撮影)

お店の人が、民間クジ(ロトくじのように数字を当てる)の予想紙と教えてくれる。「大家楽」とも呼ばれ、1980年代に大ブームを起こしたギャンブルの一種だ。台湾各地の廟で見られる自然現象などから、霊媒師が当選する番号を予想した「明牌」が一面に印刷されている。ちょっと怪しい競馬新聞みたいなものだろうか。

昼過ぎの伝統市場は店仕舞いの時間で、豚肉屋のお兄さんが色んな形をした包丁を丁寧に研いできれいに並べている。日本からの輸入らしい洋服を並べるお店の軒先に、「日本見本シアワセ」という看板をみつけた。国連が発表する「世界幸福度ランキング2020」ではアジア一位に輝く台湾。むしろ幸せの見本は台湾かも、などと考えながら歩くうちに、目的の店についた。

さまざまな種類の包丁を研いでまな板を洗い、ひき肉にする機械までも清潔にする(筆者撮影)
さまざまな種類の包丁を研いでまな板を洗い、仕上げにひき肉にする機械の手入れ(筆者撮影)