ジャパニーズビールの探求
日本最大のクラフトビールメーカー、ヤッホーブルーイングは今回の酒税法改正を歓迎している。軽井沢近郊の長野県佐久市にある醸造所を訪れると、ロビーに麦芽を温めた香りが立ち込めていた。実験室のような部屋では、スタッフが精巧な機械を使って品質を検査していた。彼らは国産の原料や果実を用いた実験醸造にも取り組んでいる。ヤッホーブルーイングは、酒税法改正に合わせて「Sorry Umami IPA」を発売した。限定製造されていた商品で、かつお節のうまみを抽出した個性的なビールだ。
長野県にあるヤッホーブルーイングは、1996年に星野リゾートが設立し、現在はキリンビールが3分の1を所有している。東京都内でビアレストランを数店舗経営し、自社商品は国内だけでなく海外でも約10カ国で販売されている。
ヤッホーブルーイングの主力商品には、かんきつ系の香りが特徴的なアメリカンペールエール「よなよなエール」や、インディア・ペールエールの「インドの青鬼」などがある。しかしここでも、新酒税法に基づくビールの基準を満たすための苦労がうかがえる。2012年に発売されたベルジャンホワイトスタイル「水曜日のネコ」は、麦芽使用比率99%で、平日でも飲みやすいビールとして女性をターゲットに造られている。しかし、風味としてオレンジピールとコリアンダーの種子を使っていることと、透明度を調節する原料によって発泡酒に分類されている。それにもかかわらず酒税は麦芽比率によって設定されるため「水曜日のネコ」はビールと同じ税率が課されている。とはいえ、ヤッホーブルーイングはこの問題をそれほど気に掛けていない。
「どのように分類されようと、われわれが造るのはクラフトビールです」ヤッホーブルーイング広報担当の原謙太郎氏は断言する。「ラガーも素晴らしいビールですが、われわれは個性豊かなビールを次々と世に送り出し、日本市場に厚みを持たせたいのです。それがクラフトビールメーカーとしてのわが社の使命だと考えています」
原文英語
バナー写真:長野県佐久市のヤッホーブルーイングでサンプルチェックを行う醸造スタッフ、撮影= 川本 聖哉



