書く作業に誠実であれ
(3)東京都、22歳、男性。慶応大学3年
メディア塾に参加して、メディアを取り巻く状況が大きく変化してきたことを実感した。かつては大手新聞社やテレビ局などの大規模な組織に所属しなければ、広く情報を発信することは事実上不可能だった。しかし、インターネットの普及によって個人が情報を送り出す側に回ることができるようになった。現在では、インターネットが存在しない時代を想像することすら難しいが、かつてのメディアの形態を知ることで、いかに激しい技術的な変動に見舞われてきたのか改めて考えることができた。
情報通信技術の発達はジャーナリストの働き方をも変えたようだ。携帯電話や電子メールのない時代にあっては、記者は常に電話機の在りかを頭に入れていた、というエピソードは今の時代では信じられない。また、国際環境の変化も報道の在り方に影響を与えていることを痛感した。冷戦の時代が終わり、新たな「テロとの戦い」の時代に移行するなかで、戦場ジャーナリストは“公共財”であるという従来の共通認識が失われ、かつてのような戦争報道の形式が成り立たなくなった、という指摘は新鮮なものだった。
しかし、このようにジャーナリストのおかれた環境が大きく変化しても、講師の方々が重視していることは変わっていないように感じた。何よりも印象に残っているのは、「書くこと」と「人に接すること」を非常に重視している姿勢だった。
最終的な完成品が新聞記事であれラジオの音声であれ、読者に対して書き手の意図が伝わり印象に残る、明快かつ美しい文章を書くことに、これほど注力せねばならないとは知らなかった。かくも「書く」という作業に対して誠実であらねばならないのかと驚いた。
また、取材を通じて多くの人々と人間的な信頼関係を築き、そこから得る刺激を大切にしていることに感銘を受けた。いかにメディアを取り巻く環境が変化しても、雑多な情報の山の中から真に価値をもつ記事を作るためには、様々な人間と交流していくことが不可欠であることを学んだ。
メディア塾を通して、ジャーナリズムの世界におけるプロフェッショナルの方々から、同じ空間で直接お話を伺う機会があったことを幸運に思う。

(4)東京都、20歳、女性。東洋大学3年
受講した感想を一言でいうと、贅沢すぎる人たちに囲まれた時間でした。
「人に伝える、伝わるにはどうしたら良いのだろう」というシンプルな興味から参加を決めたメディア塾。講義にはメディアの第一線で活躍されてきた方々が毎回登壇し、受講生の方々の熱量も凄まじい。そんな環境にいさせてもらえた事が、何よりも自分の財産になったと感じています。講義をされる先生方は、実際に現場でご活躍されていたわけで、その話の厚み・臨場感に毎回引き込まれていき、好奇心をかき立てられました。
普段、当たり前のように接しているメディアの新しい世界をのぞいていくうちに、メディアに対するとらえ方が広がり、どんどん楽しくなり、もっと知りたいと心から思うようになりました。これからは教えていただいたことをアウトプットとして実践していきながら、より学びを深めていきます。そして、私も皆様の様にプライドを持って仕事ができる、かっこいい大人になれるよう今から精進してまいります。
(5)京都市、33歳、女性。
周囲の風景に圧倒されながら、なんとかすべて受講することができました。「ジャーナリズムってなんだ?」と自問自答して、頭の中がぐちゃぐちゃになる毎日を、12月になっても繰り返していました。「ジャーナリズム」の「型」を見つけようと必死だったのかもしれません。
6回の講義を終えてはじめて、先生方にはそれぞれ個性があり、手法も文体もキャリアもさまざまで、決まった「型」などないのかもしれないと思うことができました。メディア塾に参加していろいろな経験をさせていただきましたが、私にとって最大の収穫はそうやって自縄自縛から、少しだけ逃れられたことだと思います。