「やる気」がもともとなかった自民党

——衆議院では選挙制度改革を、第三者機関(衆院選挙制度に関する調査会)に委ねる形で行っている。両院の性格の違いからなのだろうか。

脇 院の性格の違いというよりも、その時々にいる人間の違いだろう。私が座長を引き受けた時、最初の(参議院選挙制度)協議会で申し上げたことは、「我々は国権の最高機関である国会の一員だ。それが自分のことも決められないというのは恥ずかしいことです」と。最大限の知恵を出していい案をつくろうと提案した。各会派も了解してくれた。

衆議院に対しては当時、党の執行委員会で「自分(の身分)に関わるから第三者に投げるというなら、国会議員を辞めてしまえばどうか」とも申し上げた。どんな法律だって大なり小なり、自分にも関係する。関係すればするほど、そのことを投げ捨てて、国家国民のために大事なことを決めるのが国会議員だ。

参議院は衆議院とは違って、議員任期は6年なので、それぞれ気心が知れているところがある。民主党だから自民党だからということではなく、野党とも十分組めるし、議論ができる。今回もしっかりやれるところまでは来ていたと思う。昨年の9月に格差が2.5倍を切る座長調整案というのを出したのだが、結局自民党は乗ってくれなかった。抜本改革へのやる気がもともとなかったということだ。

危うい今回の法改正:「違憲立法」なら資格問題に

——今回の「10増10減」による法改正。危惧されるように今後「違憲」の判決が出た場合、参議院にとって極めて不名誉な事態になるが。

脇 今回の法改正が「合憲」であるという合理的な説明はない。「たぶん大丈夫でしょ」というレベルの話だ。最高裁の判決を読むと、補足意見を出している5人の判事と反対意見の4人、9人は完全に「アウト」となるおそれがある。相当危ない。

「違憲立法をした」と最高裁に判断された国会議員は「政治家の資格がないから辞めなさい」と、そういう訴訟が今後起きるかもしれない。今回法案に賛成した議員は、もし違憲判決が出た場合には「国会議員失格」だと、私はそう思う。辞めるべきだ。

(2015年7月28日都内にてインタビュー)
聞き手:一般財団法人ニッポンドットコム代表理事・原野城治