「高度な自治」の原点に戻ること

野嶋

 香港問題の在るべき解決というのはどこにあると思われますか。

倉田

 私は結局のところ、いわゆる「高度な自治」の原点に帰ることだと思っています。1997年の返還のころ、香港は政治的には穏やかでした。北京の干渉も少なく、落ち着いていました。2003年にデモがあって、中国は政治面でもコントロールを強め、国家安全の脅威となるものを根絶やしにするように、状況はエスカレートしていきました。しかし、実際の香港社会は、それをやればやるほど反発し、どんどん急進化しています。非常に不毛なことをやっていると思います。

反中国や本土派の勢力は、中国がこれといった手出しをしなければ同情票も集められないし、怒りや反感をエネルギーに運動を盛り上げることもできません。余計なことを北京がしなければいいのですが、習近平政権はそれができないでしょう。中国国内でも弁護士や知識人への締め付けは強まる一方ですが、大きな目でみれば、香港もその流れにあるのでしょう。

バナー写真=2016年7月1日、香港行政長官の選挙制度改革再始動を求めて行進する民主派デモ隊=香港島・湾仔(時事)