頼市長の計算

頼は来年で2期8年の台南市長の任期を終える。57歳という年齢を考えると、総統を目指すには2020年か24年に出馬する必要がある。順当にいけば20年は蔡が再選される選挙になるので頼の出番はない。そうなると頼は6年間ぶらぶらしていることになる。その間、自分の勢力をどうやって維持するか悩みは大きい。来年、新北市長選挙に出て4年市長をするか、もしくは行政院長を狙うか、二つの選択肢となる。

新北市長は頼にとって誘因が薄い。一方、行政院長のポストは総統によって、いつでも更迭されるリスクがある。行政院長は予算・人事の行政資源と権力を持つ。しかし、常に総統府との調整が必要であり、総統の指図を受け、失敗すれば責任を負わされるという損な役回りを覚悟しなければならない。蔡に悪意があれば、つぶされることもあり得る。

だが、困難な状況で政権を安定させ改革を推進し満足度を上げることができれば、一躍ヒーローとなれる。リスクを取りに行き勝負する気概がないと、民進党内では評価されない。それが民進党の党内文化である。

頼としては使い捨てにされるのだけは避けたい。蔡が頼に打診してから、頼側は何らかの保証を求めたはずだ。それはこのようなものであろう。途中で首を切らない(蔡総統第1期の任期いっぱい、つまりこれから約2年半やらせる)。内政(政策と人事)については一定の授権をする。さらに、2020年総統選挙を共に戦うことでも暗黙の了解ができたはずだ。これにより両者は、完全に運命共同体になる。