正名運動の政治的背景

運動が起こった政治的背景として、李登輝元総統時代の台湾の国民党による独裁政治から民主化が行われ、00年の総統選挙では、当時台湾独立を主張する民主進歩党(民進党)の陳水扁氏が総統に選ばれたことがある。陳総統政権では、中華民国のパスポートに「TAIWAN」を加え、国営企業の冠であった「中華」を「台湾」へ変え、蔣介石を祭る中正記念堂の名称を変えるなどの変革を行った。しかし、08年の総統選挙では、国民党の馬英九氏が勝ち、正名運動の火は小さくなっていった。

昨年16年の総統選挙で民進党が再び政権を取り戻し、中国が蔡英文総統の政権に対して、中国観光客の台湾旅行制限、パナマと台湾の断交など揺さぶりをかける中、台湾では初めてのユニバーシアード夏季大会が、今年の8月19日から30日に台北市を中心として隣接する四つの県市で行われた。夏季大会をきっかけに、台湾で再び「台湾正名運動」の火が激しく燃え上がろうとしているのを実感した。