今週の歴史を振り返る:This Week in Japanese History

今週の歴史を振り返る:2月24日~3月1日

2月24日

日本文学研究者ドナルド・キーンさん死去

2019(平成31)年 日本文学研究者として作品を広く世界に紹介し、文化勲章を受章したコロンビア大名誉教授のドナルド・キーンさんが、心不全のため東京都内の病院で死去した。96歳だった。日本文学に関心を持ったのは、日米開戦間近の1940年、英訳『源氏物語』を読んだのがきっかけ。戦後は京都大大学院に留学し、日本での学究生活が始まった。日本語、英語で多くの著書、翻訳を残した。2012年に帰化し、東京都北区で晩年を過ごした。

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2月25日

シャープが鴻海の傘下に

2016(平成28)年 液晶パネル事業に失敗し経営再建中のシャープが、台湾の電子機器受託製造大手、鴻海(ホンハイ)精密工業から出資を受け入れ、傘下に入ると発表した。日本の電機大手が外資に買収されるのは初めて。この発表後、シャープの偶発債務(将来、発生するおそれのある債務)」をめぐって鴻海が支援契約の締結を保留し、正式な契約締結は4月2日にずれ込んだ。1株当たり株価が引き下げられ、出資額は当初の4890億円から3888億円に減額された。

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2月26日

二・二六事件発生

1936(昭和11)年 日本陸軍の統制派、皇道派の対立を背景に、皇道派の青年将校らがクーデター二・二六事件を起こした。岡田啓介内閣の打倒を目指し首相官邸など数カ所を襲った。岡田首相は難を逃れたが、斎藤実内相、高橋是清蔵相らを殺害し、鈴木貫太郎侍従長に重傷を負わせた。事件を収束させるための戒厳令が布告された。武力による政権転覆の動きに昭和天皇は激怒し、「反乱軍」と規定して鎮圧した。首謀17人とともに、皇道派の思想指導者北一輝らも処刑された。統制派が皇道派を一掃して実権を握り、軍部による政治支配が進んだ。

2月27日

オウム真理教元代表松本智津夫に死刑判決

2004(平成16)年 27人が犠牲となった地下鉄サリン、松本サリン、坂本弁護士一家殺害など13事件で、殺人罪などに問われたオウム真理教元代表の松本智津夫(麻原彰晃)被告に対し、東京地裁は求刑通り死刑判決を言い渡した。法務省は2018年7月6日に松本死刑囚と元幹部6人の死刑を執行した。

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2月28日

女子ゴルフ岡本綾子選手、米公式ツアーで初優勝

1982(昭和57)年 女子ゴルフの岡本綾子選手が米公式(LPGA)ツアー「アリゾナ・コパー・クラシック」で、プレイオフの末に同ツアー初優勝を飾った。岡本選手は1981年、日本ツアーで初の賞金女王を獲得するとともに、日本女子選手で初めて本格的に米ツアーに参戦。87年には米国人以外で史上初となる賞金女王に輝くなど、「世界のアヤコ」と称された。2005年には樋口久子、青木功に続く日本人3人目の世界ゴルフ殿堂入りを果たした。

2月29日

東京スカイツリー完成

2012(平成24)年 高さ634メートルの電波塔・観光施設「東京スカイツリー」が約3年半の工事を終えて東京都墨田区押上に完成した。東京タワー(同333メートル)に替わる電波塔として建設されたもので、中国の広州タワー(同600メートル)などを抜き、世界一高い自立式電波塔となる。五重塔をモデルにした制震システムやLEDを使ったライトアップなどの最新技術を備え、「天望回廊」(同450メートル)と「天望デッキ」(同350メートル)の2つの展望台がある。完成当日は、首都圏は雪で、うるう日と積雪が重なる珍しい日となった。

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3月1日

第五福竜丸の乗組員が被ばく

1954(昭和29)年 米国が南太平洋のマーシャル諸島ビキニ環礁で行った水爆実験で、日本の遠洋マグロはえ縄漁船「第五福竜丸」(静岡県焼津港所属)の乗組員23人が被ばくした。漁船は爆心から160キロ離れていたが、威力は広島に落とされた原爆の千倍。「死の灰(放射性降下物)」を浴び、半年後に1人が死亡するなど、深刻な健康被害を受けた。唯一の被爆国である日本人に核への恐怖を呼び起こした。

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バナー写真:故ドナルド・キーンさんのお別れの会(時事)

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