Japan Timeline

Timeline for March 2015

政治・外交 経済・ビジネス 科学 技術 社会

東日本大震災から4年、メルケル独首相とオバマ米大統領夫人の来日、北陸新幹線の開業など、2015年3月の日本の出来事を振り返る。

1

2016年春の採用に向けた企業の会社説明会が解禁され、大学3年生らの就職活動が本格的にスタート。就職活動の解禁については2013年、経団連が学生を勉強に集中させるためとして時期を遅らせる指針を決定し、今年から前年より3カ月遅くなった。

2

アジアで初開催となる2019年の第9回ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の開催地が、岩手県釜石市、神奈川県横浜市、大阪府東大阪市など12都市に決定。開幕戦と決勝戦は新国立競技場(東京都)で行われる。

5

与野党6党が、選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる公職選挙法改正案を国会に共同で再提出。成立は確実な情勢で、早ければ2016年夏の参院選から適用される。 選挙権年齢の引き下げは、1945年に「25歳以上の男子」から「20歳以上の男女」に改定されて以来70年ぶり。2016年時点で18、19歳となる約240万人が新たに有権者となる見込みで、有権者全体に占める割合は約2%。

日・ラオス首脳会談が首相官邸で開かれ、安倍晋三首相とラオスのトンシン首相がインフラ整備支援など経済分野での関係を強化することで一致。両国関係を「戦略的パートナーシップ」に格上げすることを確認する内容を盛り込んだ共同声明を発表した。両国は、今年国交樹立60周年。

6

米国務省が2007年に創設した「世界の勇気ある女性賞」を、小酒部(おさかべ)さやかさんが日本人女性として初めて受賞した。妊娠中に上司から事実上の退職を迫られて流産した経験からマタニティー・ハラスメントに悩む女性を支援する取り組みが認められた。

9

安倍首相が、来日中のドイツのアンゲラ・メルケル首相と会談。ウクライナ情勢への連携で一致したほか、ともに敗戦国である日独が戦後、経済発展を通じて国際社会に貢献してきたことを踏まえ、今後も両国の関係を強化していくことを確認した。メルケル首相は記者会見で「過去の総括は和解のための前提」と語り、中国など近隣諸国との緊張緩和に向けた日本側の努力に期待感を示した。

10-12

鳩山由紀夫元首相が、昨年ロシアがウクライナから併合したクリミア半島を訪問。併合を認めない立場から日本政府が訪問を断念するよう働きかけていたが強行した。首相経験者の訪問は、国際社会に「事実上の承認」との誤解を与えかねないとして批判の声もあがった。

11

1万8000人を超える死者・行方不明者を出した2011年の東日本大震災の発生から4年。東京都千代田区の国立劇場で政府主催の追悼式が行われ、天皇、皇后両陛下や安倍首相、犠牲者の遺族代表ら約1120人が参列した。東京電力福島第一原子力発電所で深刻な事故が発生した影響もあり、現在でも23万人近くが避難生活を送っている。

東日本大震災から4年の追悼式で哀悼の言葉を述べる岩手、宮城、福島3県の遺族代表=2015年3月11日、東京・国立劇場(時事、代表撮影)

12

日経平均株価が一時、2000年4月21日以来およそ15年ぶりに1万9,000円台を回復。世界的な金融緩和の流れと、円安などによる国内企業の賃上げに対する期待感から、主力銘柄を中心に値を上げた。

サッカー日本代表の新監督に、ボスニア・ヘルツェゴビナ出身のバヒド・ハリルホジッチ氏(62)の就任が正式に決定。ハリルホジッチ氏は2014年のワールドカップブラジル大会でアルジェリアを率いてベスト16に進出したほか、コートジボワール監督の経験もあり、フランス一部リーグのチームも指揮した。初采配となった27日のチュニジア戦、日本代表は2-0で快勝した。

13

トヨタ自動車が自動車メーカーとして初めて、国際オリンピック委員会(IOC)との間で最高位の「TOP」スポンサー契約を締結した。日本企業としてはパナソニック、ブリヂストンに続く3社目。トヨタは2015年以降、五輪のロゴマークを使った広告宣伝ができるようになり、五輪で使用される車を独占して提供できる。契約金額は2000億円程度とみられる。

14

東京─金沢間を結ぶ北陸新幹線が開業。所要時間は最速2時間28分で、これまでより1時間19分の短縮となる。1997年10月に開業した長野新幹線を金沢まで延伸、2022年度には福井・敦賀まで延伸する見通し。

北陸新幹線が開業し、東京に向けJR金沢駅を出発する「かがやき」の一番列車=2015年3月14日(時事)

14-18

第3回国連防災世界会議が、186カ国の代表が参加して仙台市で開催。2030年までに災害による犠牲者の割合や被災者数、経済損失などを減少させるなどとする世界共通の目標を盛り込んだ国際行動指針「仙台防災枠組」が採択された。

15

全日本競歩能美大会(石川県能美市)の男子20キロで、2012年ロンドン五輪代表の鈴木雄介(富士通)が1時間16分36秒の世界新記録で優勝。陸上の五輪種目で日本選手が世界記録を樹立したのは、2001年のベルリンマラソンで高橋尚子が女子マラソン世界最高(当時)を出して以来。

17

関西電力が美浜原発1、2号機(福井県美浜町)、日本原子力発電が敦賀原発1号機(同県敦賀市)の廃炉を決定。翌18日には中国電力が島根原発1号機(島根県松江市)、九州電力が玄海原発1号機(佐賀県玄海町)の廃炉を決定した。いずれも運転開始から40年前後が経ち、運転の延長に必要な安全対策などの費用がかさむことが理由。東京電力福島第一原発事故後に原発の運転期間を原則40年とする新基準が定められてから初の廃炉で、国内の原発は48基から43基になる。

ゲーム大手の任天堂と「ディー・ネヌ・エー」(DeNA)が資本・業務提携で合意したと発表した。互いに約220億円を出資して株式を持ち合い、スマートフォンやタブレット端末向けゲームを共同開発する。スマートフォン向けゲームへの進出に慎重だった任天堂にとっては、大きな方針転換。

18

チュニジアの首都チュニスで武装グループが国会議事堂近くにあるバルドー博物館を襲撃し、日本人を含む外国人観光客ら21人が死亡。日本政府は日本人3人の死亡と3人の負傷を確認した。イスラム過激派アンサール・シャリアの犯行とされるが、「イスラム国」との関連も疑われている。

18-20

ミシェル・オバマ米大統領夫人が、自らが主導する女子教育支援活動「レット・ガールズ・ラーン(女子に教育を)」構想推進の一環で初来日。19日に安倍首相、昭恵夫人とそれぞれ会談したほか、昭恵夫人とともに日米両政府の共同行事に出席した。昨年4月にオバマ大統領が来日した際、ミシェル夫人は同行しなかった。

20

オウム真理教による地下鉄サリン事件から20年が経ち、現場となった東京の地下鉄・霞ヶ関駅で犠牲者の慰霊式が営まれた。同事件は1995年3月20日に東京で発生。霞が関を通る営団地下鉄(現東京メトロ)日比谷線、丸ノ内線、千代田線の3路線計5本の車内でオウム真理教の幹部らが猛毒のサリンを散布し、乗客と駅員ら13人が死亡、およそ6,300人が重軽傷を負った。当時の教団代表、麻原彰晃(本名・松本智津夫)を含む13人に死刑判決が言い渡されている。

自民、公明両党が、自衛隊の海外活動を広げる新たな安全保障法制の骨格で正式に合意。日本の存立が脅かされるなどを条件に、他国軍を防衛する集団的自衛権による武力行使ができるよう自衛隊法や周辺事態法などを改正するとし、専守防衛に徹してきた戦後の安全保障政策が大きく転換する。政府は今後、具体的な法案づくりを進める。

21

岸田文雄外相、中国の王毅(ワン・イー)外相、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相がソウルで会談。日中韓外相会談は2012年4月以来約3年ぶりで、3か国の首脳会談について「最も早期で都合のよい時期に開催すべく努力する」ことで一致した。会談終了後に「歴史を直視し、未来に向かうとの精神のもと、関連する諸課題に適切に対処する」と明記した共同報道発表が出された。

23

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、沖縄県の翁長雄志 知事が現場海域での移設関連作業を1週間以内に停止するよう沖縄防衛局に指示。従わない場合は埋め立てに必要な岩礁破砕許可を取り消す考えだが、政府は移設作業を続行する方針。埋め立て承認と岩礁破砕許可は、県が仲井真弘多・前知事時代に出していた。

安倍首相がインドネシアのジョコ・ウィドド大統領と首相官邸で会談。海洋進出を強める中国を念頭に、沿岸警備や海洋のインフラ整備などでの協力推進、外務・防衛閣僚会議(2プラス2)の開催で一致したほか、ジャカルタの高速鉄道に約1400億円を供与する経済支援も確認した。

27

ユネスコの世界遺産、国宝の姫路城(兵庫県姫路市)の大修理が終わり、5年半ぶりに一般公開が始まった。約7万5000枚の瓦をふき直したほか、瓦の継ぎ目や壁の漆喰(しっくい)も塗り替え、「白鷺(しらさぎ)城」と呼ばれるにふさわしい外観がよみがえった。

大天守の保存修理工事が完了した世界文化遺産の国宝・姫路城=2015年3月26日、兵庫県姫路市(時事)

30

林芳正農林水産相は米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題で、翁長雄志・沖縄県知事が沖縄防衛局長に出した移設関連作業停止の指示をいったん無効とする「執行停止」の決定書を県と沖縄防衛局に通知した。

東日本大震災 チュニジア オウム真理教