台湾の若者の「福島、お元気ですか?」に感謝
この特集をやりたいと考えたきっかけは、台湾の若者たちが昨年11月、「福島、元気?」という展示を、台北で開いたことだった。台湾の若者たちが、福島について関心を持って、自ら福島に乗り込み、現地の人々と対話し、その情報を台湾に伝えたことに感謝するとともに、ショックも受けた。
私たち日本人も、彼らのように、福島について、何か、自分たちができることを、するべきではないか。なぜなら福島の問題は日本人の問題であり、日本の情報を対外的に発信するnippon.comこそ、取り組むべき課題だからだ。台湾の若者たちが行ってくれた「福島、元気?」の企画に感謝を込めて、この特集のタイトルは「福島、元気です!」とした。
台湾と日本は現在、極めて良好な関係にある。相互往来は空前の活況を呈しており、毎年の訪問者は650万人を超えようとしている。日本の日本台湾交流協会が台湾で行った世論調査でも、台湾の台北駐日経済文化代表処が日本で行った世論調査でも、どちらも「最も好き」という国に5割以上の民衆がお互いを挙げているのである。活発な交流と良好な感情。簡単なようで、なかなか実際には実現が難しいことを成し遂げている現在の日台関係をわれわれは大切にしなくてはならない。
福島の問題があっても台湾の人々は日本に来てくれているし、台湾が日本の福島食品を輸入しなくても、日本人は台湾に観光に行くだろう。ただ、複雑な歴史を経ながら、今ピークを迎えているといえるこの良好な日台関係の中で、唯一、喉に刺さった骨のように痛みを発し続けている福島の問題はいつか解決されなければならない。その時は、台湾の人々も日本の人々も納得のいくような決着点が、お互いの知恵によって見いだされることが大切だ。
この特集「福島、元気です!」がその一助になることを願っている。
バナー写真=地域の復興のシンボルとなっている「かしまの一本松」(福島県南相馬市鹿島区)。約3キロあった松林で、東日本大震災の津波から唯一残ったが、防災林の整備工事が始まるため、今秋に伐採される予定だ(編注:2017年12月27日に伐採された)。工事終了後、地元の有志たちが一本松の種から育てた苗木を、同じ場所に植樹するという、2017年3月10日(時事)
