台湾の「環島」が日本に

この台湾の環島スタイルの自転車による地域活性化のノウハウを日本へ持ち込もうという動きは、実は2011年に始まっていた。

場所は、四国の愛媛・今治と広島・尾道を結ぶ70キロの「しまなみ海道」だ。

環島を引っ張ってきたGIANTの協力の下と、地元自治体も国に働き掛けて、高速道路を自転車が走るという、従来の日本の交通行政では想像できない離れ業を実現させた。瀬戸内の島々を見下ろしながら走るぜいたくな光景が売りで、世界10大サイクリングコースに選ばれるなど、海外からの観光客が多数押しかける日本屈指の人気コースにあっという間に成長した。

その成果を見て、次に動き出したのは、琵琶湖を抱える滋賀県と守山市など周辺市町村である。琵琶湖には、その周囲を一周する200キロに及ぶコースがあった。「琵琶湖一周」を略して「ビワイチ」と呼ばれていたが、実際の利用者は決して多くはなかった。

このビワイチの復活に、「環島」のノウハウを持ち込むことにしたのである。取り組みが始まってすでに2年が経過しているが、着実に成果を上げており、自転車乗りの間でも「ビワイチ」の名前は市民権を得つつある。

実際に私も「ビワイチ」を走ってみたが、真っ青な湖面と山々の緑がコントラストをなす景色の美しさ、フラットな路面による走りやすさ、京都の奥座敷として歴史を歩んできた文化遺産、琵琶湖の川魚料理や近江牛のグルメなど、多様、多彩な魅力を持っている。

琵琶湖のコース「ビワイチ」を走る前に記念撮影する台湾の追風騎士団(提供:野嶋 剛)

大阪や名古屋の国際空港からも近く、京都には1時間以内で移動でき、外国人に人気の飛騨高山などにも抜けられる。200キロのコースなので、1泊2日か2泊3日のコース設定が可能であり、観光と運動の両方を楽しみたい外国人向けのコースに成長していく潜在力は大きいと感じた。