日本ではリコールは流行らない?
日本の近代政治史を俯瞰すると、まだ一人も罷免された知事はいない。2000年から2020年の20年間でも約20の市町村長がリコールされたが成立しておらず、日本の有権者の政治家への許容度が高いことを示している。実際には、日本社会は第二次大戦後の70数年間に成熟した民主的運営システムを、すでに作り出しており、政治家の評価が良くなければ、任期が終わるころに選挙によってより理想的な政治家に取って代わっている。
その中で特に重要なのは、日本の政治家は台湾の政治家に比べ、引き際を知っているということだ。仮に汚職や色恋沙汰、道徳的スキャンダルが発覚した際、多くは官職を辞して謝罪する。過去には東京都の舛添要一前知事や河井克行前法務大臣らが、辞職して謝罪し、怒りが社会に燃え広がる前に事態を収めた。
日本の有権者の態度も相対的に冷静だが、台湾の有権者は感情的だ。長年、中国に干渉を受けてきた台湾は、毎回の統一地方選挙や総統選挙が「統一か独立かの勢力争い」と見られてきた。過去1年間では、中国は香港問題と一国二制度の失敗などで台湾人から非常に警戒された。総統選が終了した後、相対的に親中国的立場の韓国瑜氏に対して、彼の過去の言動などの問題も含め、高雄市民はリコールという方法で1年半にわたる不満を発散したのだ。
しかし、実際のところ台湾もそれほどリコールが好きということではない。過去、最も高いレベルでも立法委員がリコールの対象となっただけだ。成立する確率も高くない。仮に韓氏が総統選の敗北後、自ら「日本式」の深いお辞儀で謝罪をして、同時に高雄市民に期待に背いたことを謝り、高雄に戻ってからしっかり市のための政治を行って二度と高雄市をおろそかにしないと誓っていれば、もしかしたら心優しい高雄市民は心を動かされ、もう一度チャンスを与えていたかもしれない。
