天皇交替と年号改元は「2020年か」

⑩(原文では⑨の前)皇太子さまが新たな天皇として即位されると、元号は「平成」から新たな元号に変わることになります。「元号法」では、「元号」は、皇位の継承があった時に限り改めるとされているためです。宮内庁の関係者によりますと、天皇陛下は、数年内の退位を望まれているということです。

仮に、4年後の東京で開かれるオリンピックとパラリンピックの前に退位されると、東京オリンピック・パラリンピックは、皇太子さまを天皇とする新たな時代を迎えた日本で開かれることになります。

※日本の年号=元号は、明治以降「一世一元」(一代一号)とされ、昭和53年(1978)公布の「元号法」も同様の原則を定めており、今上陛下の退位により皇太子殿下が皇位継承されたら、直ちに元号が「政令」で定められ一斉に切り替えられる。

また、「天皇陛下は数年以内の退位を望まれている」という、その「数年」を、大胆に「4年後」と仮定し、東京五輪は新天皇・新元号のもとで開催されるかもしれないとまで示唆している。

今上陛下の「ご意向」に対する異論

以上、NHKの第一報から読み取ることのできる重要な論点を再確認してきた。これだけでなく8月8日のご自身による「お気持ち」の直接表明を受けて、その実現へと向かっていくためには、何をどうすればよいのだろうか。管見の一端を略述しよう。

その前に、7月13日の第一報を視聴しても、原則論にこだわって「ご意向」に異論を唱える識者が少なくない。例えば、東大名誉教授の小堀桂一郎氏は、「産経新聞」16日朝刊で「天皇の生前退位を可とするごとき前例を今敢えて作ることは、事実上の国体の破壊に繋(つな)がるのではないかとの危惧は深刻である(中略)この事態は摂政の冊立(さくりつ)を以って切り抜けるのが最善だ」と述べている。

また、雑誌『WiLL』9月号(7月26日発行)で、日本大学教授の百地章氏は、普段天皇の元首化(主体性の回復)を持論としていながら、今回「もし内閣が、天皇の“私的ご発言”に法的に拘束されることになれば、それこそ立憲君主制に悖(もと)ることになろう(中略)どうしても必要とあらば(中略)「摂政」を置き、陛下を激務から解放して差し上げるのが、法の主旨に叶(かな)い、かつ陛下のお気持ちにも沿うことになろう」と論じている。

しかし、確かに「皇室典範」第十六条は、「天皇が、精神若(も)しくは身体の重患又は重大な事故により、国事に関する行為をみずからすることができないときは、皇室会議の議により、摂政を置く」と規定しているが、80歳代でもお元気な今上陛下の場合、高齢を理由に摂政を置かれることは逆に「法の主旨に叶」わないことになろう。

しかも、NHKの報道によると今上陛下は「憲法に定められた象徴としての務めを果たせる者が天皇の任にあるべきだ」と考えられ、上掲③※のような激務に全力を尽くしてこられた。従って、その一部削減や全部代行の策をとられず、今なお「激務から解放して」安楽な余生を送ろうとはお考えでないと思われるから、摂政を置くことでは「陛下のお気持ち」に沿えないのである。