当面「量より質」重視と卸
卸会社の中には「今は量を増やすことよりも、消費者ニーズを捉えて質にこだわることが重要」と見る向きもある。来年の東京五輪・パラリンピックを控え「海外に向け豊洲の魚をアピールしたい」(卸)との声もあり、「各業者の総合力で何とか市場を盛り上げていきたい」(同)と意気込んでいる。
魚の卸売りが苦戦を強いられる中、プロではなく一般客の豊洲人気は定着してきた。市場内には、水産仲卸売場棟3階などに、すし店をはじめ計40近くの飲食店が営業しており、日々多くの客でにぎわっている。築地時代から人気の「寿司大」では2~3時間待ちの行列も珍しくないといい、人気は継続中だ。
水産仲卸売場棟4階には、主に業務用のさまざまな調理器具やかつお節、のり製品といった加工食材が買える物販エリアがあり、一般客の利用も可能とあって、足を運ぶ人も少なくない。
観光客の多くが訪れるのが、水産卸売場棟2階の見学通路。ガラス越しに1階のマグロ卸売場が見下ろせるため、早朝には立ち止まって競り風景を眺める姿が目立つ。これまで卸売場の音は聞こえなかったが、10月5日から競り開始の鐘の音や業者らの掛け声がスピーカーで流されるようになり、臨場感があると好評だ。築地時代よりも安全な場所から競りが見られるので、小中学校などの団体客が増え、見学者は2倍以上になったという。
築地のように魚を買えるのか
地元の江東区からも要望が出ている、一般客の魚の購入については業者などが調整中。水産仲卸業者の間では「築地のころのように、一般のお客さんにも売り場へ来てもらって、魚を買ってもらいたい」という人も多いが、「卸売市場だけに業務用の販売に限るべき」(仲卸)といった声も根強い。
中には「時間やエリアを区切って一般客に開放してはどうか」といった意見もあるほか、「一般客の安全をどう確保するかが大きな課題」と指摘する声もあり、年末に向けて仲卸や市場を管理する都などが対応策を検討することにしている。
(バナー写真=手前左は解体が進む築地市場跡地。右奥は豊洲市場 時事)

