台湾で外国人として初めて文学賞を受賞するなど、当地で知らない人はいない小説家の木下諄一。2017年3月、台湾の東日本大震災200億義援金をテーマにした小説で故郷の日本でも文壇デビューを果たした。木下の人物像と創作活動に迫った。

2017年3月、1冊の小説が日本で出版された。タイトルは『アリガト謝謝』、著者は木下諄一。東日本大震災後に、台湾からの200億円もの義援金がどのように集められたのか。また、その義援金に込められた台湾の人々の日本への熱い思いとは何だったのか。山の小学校、片田舎の町役場、大学のキャンパス、仏教系のボランティア団体、老舗の菓子屋など、それぞれの募金活動にまつわる物語を通して上述の問い掛けに答えていく。また、1人の日本女性のツイッターに端を発した台湾への答礼計画も、この作品のもう一つの軸として描かれている。2つの軸がやがて交差し、義援金を媒介とした日本と台湾の善意と感謝の関係が浮き彫りになるという内容である。

木下はどんな人間なのか——。

木下の海外での歩みと『アリガト謝謝』の誕生について聞いた。