台湾人は「フレンドリー」だが「親日」ではない

「台湾人は確かにフレンドリーですが、日本で広く言われているほど『親日』ではないと思います。日本のスタンダードを持ち込んで台湾を捉えようとすると、そもそもの前提を見誤ることとなり、後々の結果が真逆になってしまう場合もあります」

(撮影:亦翔)

例えば日本では昨今、ワーク・ライフ・バランスが叫ばれているとはいえ、残業も厭(いと)わず会社に尽くす精神は普遍的だ。一方、個人の生活を優先し、自分に合わなければ簡単に離職する台湾は、むしろ欧米に近い。また、ビジネスが絡むと途端に金銭にシビアになるのは、中華系社会の特色とみる。したがって、日本人が「台湾人は自分たちに価値観が近い」との前提でビジネスを始めると、つまずくケースが後を絶たないという。台湾はあくまでも海外であり、グローバルスタンダードに照らしてビジネスを組み立てることが肝要と説く。

片や、台湾人の日本に対する思いを小路は「懐日」と表現する。これは台湾の民主化が進み、政権交代を経た現代の若い世代が、台湾独自の創造的なもの、文化的なものを発信しようと模索した結果、自分たちの祖父母が「日本人」として生きた日本統治時代に、その文化的ルーツを見いだすようになったのが発端と解説する。年間400万人もの台湾人が日本を訪れるのも、その多くは「懐日」にも動機があると小路は考える。

「日本人が台湾人を『親日』と感じるのは、ホスピタリティを表す台湾華語の『好客』と、この『懐日』の合わせ技ではないかと私は考えています」