「環島」輸出の成否は地元地域との一体化が不可欠

環島は、パッケージでサイクリストを支援するインフラと心が伴っていないと成功しない。内外から訪れるサイクリストの存在は、経済的にも精神的にも、地域のプラスになるという社会全体の認識が不可欠だ。

追風騎士団の環島中に、アイスクリームを食べる参加者たち(撮影:野嶋 剛)

例えば、日本で車道を走っている自転車に対して、クラクションを鳴らすなどして敵対的なマナーを見せる自動車がまだまだ目立つが、「車道は自動車だけのものではない」という常識が日本社会でまだ普及していない表れである。

台湾の環島スタイルが日本で定着するかどうか、環島のノウハウを日本に伝える先頭に立っている前出のトニー・ロー氏は、こう話す。

「日本には素晴らしいコースがたくさんある。台湾のサイクリングファンが安心して気軽に日本で自転車を楽しめる環境が整備されれば、台湾人の日本観光の中で有力な選択肢になります。基金会もGIANTも協力を惜しみません。日本には自転車人口が多いが、スポーツとして楽しむ人は少ない。環島は自転車の魅力を知るためには格好のチャンスとなるはずです」

台湾の「環島」の日本輸出の成否は、いかに地元地域が一体となって「環島」とは何かを研究し、その実現のために取り組めるかどうかにかかっている。

その先には、四季折々に日本のあちこちのサイクリングロードで、自転車にまたがった日本人と台湾人がお互いに「頑張れ!」「加油!」と声を掛け合いながら走っている日台サイクル交流の未来が見えてくるはずだ。

バナー写真撮影=野嶋 剛