式には名士を招待し、料理はぜいたくに

一方で純白のウエディングドレスは台湾の女性にとっても憧れの的なので、一概に白が忌避されているわけでもないようだ。

結婚式場には大きなスクリーンが設置されていて、新郎新婦の写真や映像が繰り返し流れる。参加者はそれを追って見ていくことで、まるで映画を見ているように、2人の幼い頃からの成長の記録や、交際の過程が分かるようになっている。僕らもかなり時間をかけて写真を選んだ。僕が子供の頃に台湾を旅行した時の写真や、台湾での生活フォト、2人で阿里山や緑島に旅した時の写真など。いたずら心で、髪もひげも伸ばし放題にしていた16歳の時の写真を混ぜたら、けっこう受けていた。

会場スクリーンに繰り返し流される新郎新婦の写真や映像(提供:大洞 敦史)

台湾では結婚式に地元の名士を招待する慣習があり、この日は地元の政治家である郭國文氏、林燕祝氏、姜金堂氏、台日友好交流協会理事長の郭貞慧氏が壇上で祝辞を贈ってくださった。民進党の人も国民党の人もいるが、義父によれば顔見知りなので問題はないという。皆ご祝儀まで包んでくれたといって感心していた。

郭国文氏(提供:大洞 敦史)

豪勢な料理を盛った大皿が次々に各円卓へ運ばれる。カラスミ、おこわ、鶏を丸ごと煮込んだ漢方スープ、煮込み魚、大きなゆでエビなどが定番だ。鶏は台湾の言葉で「ゲ」というが、これは結婚の「結」および「家」と同じ発音なので、切らずにお客に出される。魚は「餘」に通じ、「余るほどの富」を象徴する。赤はめでたい色の代表なので、エビや唐辛子も好まれる。義父は料理の内容を基準にこの会場を選んだそうで、後日多くの友人たちも口々に料理の豪華さを褒めたたえていた。

豪華料理の数々(提供:大洞 敦史)

残念ながら僕は「敬酒」で各テーブルを回っている間にかなり時間が過ぎてしまい、ほとんど口にできなかったが。ちなみに台湾の宴会でアルコール類を一人で飲んでいるとムードが盛り上がらない。誰かがグラスを掲げた時に、周囲の人々と祝福の言葉を掛け合いながら飲むべきものだ。

「敬酒」と呼ばれる乾杯回り(撮影:大洞 敦史)