水際対策は影響するのか?

2020年4月7日、台湾総統の蔡英文氏が桃園国際空港のコロナ施設を視察した。(台湾総統府提供)
桃園国際空港の新型コロナ対策の検疫施設を視察した蔡英文総統(台湾総統府提供、2020年4月7日)

結局のところ、日台の感染症対策の最大の違いは、フォローアップ体制なのではないかと思う。日本の場合、入国検査はしっかりしている。ただ、入国してしまうと、ほとんどの人は「タクシーで移動するように」という指示は無視して、公共交通機関で空港を後にするのだ。

ボクが台湾に向かった1月10日の朝、新宿駅では「NRT(成田空港)」のタグをつけたキャリーバッグを引いて歩いている人を何人も見かけた。成田でも到着ロビーから電車やバスの乗り場に向かう人がたくさんいた。

その人たちがコロナに感染しているとは限らないが、万が一、1人でも無症状感染者が混じっていれば、知らぬ間に多くの人に感染が広がってしまうもかもしれない。

しかし、日本には入国者全員にタクシーでの移動を強制する法律もなければ、台湾のように感染対策のために専用のタクシーを用意する計画もない。2月3日にはコロナ対策の実効性向上を目的とした特別措置法、感染症法、検疫法の改正法が国会で成立した。緊急事態宣言下では、都道府県知事は事業者に休業や時短を「命令」することができるようになり、違反者には過料が科されるが、実際の罰則適用には慎重だ。

有効な感染症対策と、人権や経済活動を両立させるのは簡単なことではない。日本と台湾は歴史的な背景も違えば、国としての考え方も違うので一括りにして論じることはできない。ただ、日本で感染者が増え続け、複数の変異株の感染が判明している今、感染者数を減らし、最低でも国民の健康と安全な暮らしを守ることが政府の急務ではないだろうか。

バナー写真=年末にCDCの防疫センターを視察した蔡英文総統(前列右)と、衛生福利部部長の陳時中氏(前列中央、右胸に指揮官の文字)、(台湾総統府提供、2020年12月31日撮影)