次に2人が訪れたのは、「キラキラ橘商店街」。東武曳舟駅から徒歩約7分、京成曳舟駅なら徒歩5分。「曳舟湯」の破風と門塀、のれんがそそる大衆酒場を横目に見ながら、いざ商店街へ向かう。
(地図をクリックすると、そこを訪れた2人のコメントにジャンプします)
キラキラ橘商店街:原公園側入り口
優理 キラキラ橘商店街に到着!
ピーター(以下、P) ところで、なんで名前に「キラキラ」が付くんだろう?
優理 地元の女の子のアイディアらしいわ。商店街を活性化させる目的で、愛称を公募したんだって。
P いい名前だね。地域の人に愛されている感じがする。
「大国屋」「三善豆腐工房」:新世代のがんばる商店街
P ん? なんだかいい香りがする。優理 来年で創業60周年を迎えるおでん屋、「大国屋」さんよ。こちらのお母さんは2代目で、3代目になる20代の息子さんも、お店をお手伝いしているそうよ。P 若い人がお店を継いでいるのは、見ていて頼もしいね。あ、東京スカイツリーがここにもあるよ!優理 商店街の方々も、こうやってツリーの開業をお祝いしているのね。
優理 あら、お豆腐屋さんだ。ピーター、お豆腐は好き?
P 大好きだよ。ヘルシーフーズとして海外でも人気があるよ。
優理 見て、お豆腐パックにもスカイツリーが!「京都へ行かなくても デパ地下に行かなくても 旨い豆腐“京島”にあり」だって。カッコイイ。
P ん?このお豆腐には何かがミックスされているよ。
優理 これはバジル味のお豆腐。こちらはユズ。ゴマ。シソ。“変わり豆腐”がそろっていて楽しいわね。
P ケーキもある。これもお豆腐?
優理 おからよ。「三善」さんも、昭和42年(1967年)創業で、今年45周年をむかえる古いお豆腐屋さんだけれど、若い社長さんがアイディアマンなんですって。お惣菜もいろいろあって、選ぶのに迷っちゃう!
「ぺロケ」:お客様を思う心
優理 ピーター、この辺でひと休みしない?
P ここは、喫茶店「ぺロケ」?
優理 「ぺロケ」はフランス語でオウムという意味なんですって。ここも、手作りケーキとコーヒー、生ジュースのお店として、40年前にオープンしたそうよ。
P でも、今ではラーメンも焼きそばも食べられるんだね。喫茶店なのに。
優理 お客様のリクエストにこたえているうちに、メニューがどんどん増えてしまったんですって。
P お客さま第一、っていうことなのかな?
優理 下町には、見た目ではなくて、味にうるさいお客さんが多いから、このお店も、よりよい材料を使ってお客様にお出しするよう心がけているそうよ。
P 飾らない。でも、見えないところでしっかり頑張って、お客さんの期待にこたえる。簡単なようで難しいね。
優理 だんだん下町の心が分かってきたわね!
「鳥正(とりしょう)」京島店:お惣菜オンパレード
P それにしても、ここの商店街は、店先で食べ物を売るお店が多いね。
優理 夕方は、まるで惣菜合戦みたい。みんなで競い合って商店街を盛り上げているのね。ここは鶏肉屋さんだけど、お肉を使ったお惣菜が50種類以上あるそうよ!
P すごい!どれもおいしそうだなあ。
優理 キラキラ橘商店街は、ここでしか買えないものや、ここでしか食べられないものを「キラキラブランド」として認定していて、認定商品にはマークを付けることができるの。この「チキン餃子」もその1つ。
P じゃあ、ぜひとも食べてみなくちゃね。
優理 まとめて買うと、お買い得になるのね。
P すぐに食べるなら、温めてくれるって。
「越前屋ストアー」「向島電化ハウス」「たぬき寿司」:バラエティに富んだ店並び
P このお店は、すごくにぎやかだね。
優理 八百屋さん特有の威勢のいい「売り声」ね。お客さんとの会話も楽しそう。お客さんがたえないから、品物の回転もよくて、つねに新鮮な野菜がたくさんそろうのね。
P 僕も野菜を買っていこうかな(笑)。
優理 お店の作戦はみごと大成功ね(笑)。
優理 ここは「向島電化ハウス」だって。
P お店は懐かしい感じだけれど、名前はハイテクだなぁ。
優理 あ、レコードが売られている!それも新品よ。
P 次はお寿司屋さん。「たぬき寿司」だって。
優理 お店の前でお惣菜を売っているお寿司屋さんは、はじめて。
P あ、コハダがパックに入っている!
優理 自家製の卵焼きやガリもある。買っていこうかしら。
優理 この商店街を歩くだけで、毎日の生活に必要なものは全部そろっちゃうね。
P 商品を見ているとお店の人が声をかけてくれて、いろいろ教えてくれる。話がはずんで、ついつい買ってしまう。歩くだけで、お腹がいっぱいだ(笑)。
地元のお客様に喜んでいただく工夫を:キラキラ橘商店街理事・大和さん談
商店街には、大きく分けて3タイプがあります。一つは広域型といって、浅草のように全国からお客さんが集まる商店街。二つめは地域型で、江東区の砂町商店街のように、区内からお客さんがやってくる。三つめが地域密着型で、商店街の半径500~700メートルに住んでいらっしゃる方がお客さん。うちの商店街はこの地域密着タイプです。
大型のショッピングセンターが進出し、日本全国で地元商店街がシャッター通りになっています。この界隈でも、駅前には大型店がありますし、他人事ではありません。しかし、商店街は、水道や電気と同様、地域の人たちの暮らしを支える「ライフライン」であり、「プラットフォーム」。大型店には代えられない役割を担っているのです。
商店街も、お客さんも、高齢化が進んで世代交代の時期を迎えています。時代の流れに合わせて、商店街も意識を変えていく必要があって、これまでさまざまな試みをしてきました。月に一度の朝市は30年続いていますし、年に5回ほど大売り出しもします。7月の七夕まつりや9月の夜市は、子どもたちを巻き込んだイベントですし、商店街の独自ブランドを設けて、お店の自助努力を促す工夫もしています。また、高齢のお客さんが休めるよう「お休みどころ」を作ったり、一部、高齢者の多い集合住宅で移動販売を行っているお店もあります。
東京スカイツリーの開業は、集客のチャンスかもしれません。しかし、地元に愛されなくては、観光客にも愛されない。これからも、地域密着型であることを大切にしながら、観光客にとっても魅力的な地域づくりをしていきたいです。
取材・文=佐々木 香織
撮影=山田 愼二






















