新語・流行語・今年の漢字

2018新語・流行語大賞:「半端ないって」など30の候補決まる

社会

今年の世相を表す言葉を決める「2018 ユーキャン新語・流行語大賞」(自由国民社『現代用語の基礎知識』選)の候補30語が11月7日、発表された。「(⼤迫)半端ないって」「GAFA」「そだねー」などが選ばれた。

アマスポーツの不祥事が続出

今年は、平昌五輪で活躍したカーリング女子日本代表が競技中に使って話題となった「そだねー」、⽇本⼤学アメリカンフットボール部選⼿のアンフェアなプレーが非難を集め、社会問題化した「悪質タックル」、仮想通貨NEM(ネム)の流出事件で広まった「仮想通貨/ダークウェブ」などがノミネートされた。

大賞事務局は、今年は「アマチュアスポーツ界からパワハラ問題のニュースが連続する傾向が顕著だった」とコメント。また「政権の周辺から発⽣する流⾏語は、ひと頃に⽐べると少なくなった」としている。トップ10、年間大賞は12月3日に発表される。

No. 候補語 No. 候補語
1 あおり運転 16 災害級の暑さ
2 悪質タックル 17 時短ハラスメント(ジタハラ)
3 eスポーツ 18 ⾸相案件
4 (⼤迫)半端ないって 19 翔タイム
5 おっさんずラブ 20 スーパーボランティア
6 GAFA(ガーファ) 21 そだねー
7 仮想通貨/ダークウェブ 22 ダサかっこいい/U.S.A
8 ⾦⾜農旋風 23 Tik Tok
9 カメ⽌め 24 なおみ節
10 君たちはどう⽣きるか 25 奈良判定
11 筋⾁は裏切らない 26 ひょっこりはん
12 グレイヘア 27 ブラックアウト
13 計画運休 28 ボーっと⽣きてんじゃねーよ!
14 ⾼プロ(⾼度プロフェッショナル制度) 29 #MeToo
15 ご飯論法 30 もぐもぐタイム

候補の一部について、以下に解説する。

悪質タックル

5月6日に行われた日本大学と関西学院大学のアメリカンフットボール定期戦で、⽇⼤選⼿が悪質なタックルをしたことを発端に、大学スポーツ界だけでなく大きな社会問題となった。監督、コーチの指⽰があったことも明らかになり、「やらなきゃ意味ないよ」「つぶせ」といった⾔葉も話題になった。

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(⼤迫)半端ないって

サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会のグループリーグ・コロンビア戦、日本代表はフォワードで先発した⼤迫勇也選⼿が大活躍して南米勢から初の勝利を挙げた。ファンからは「半端ない」と、大迫選手への称賛が相次いだ。2009 年の⾼校サッカーで、当時の対戦相手が試合後に「⼤迫、半端ないって。あいつ半端ないって」などと語ったエピソードがサッカーファンに知られており、今回はそのフレーズが多くの人に流行語として認知された。

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GAFA(ガーファ)

検索エンジンの「Google」、デジタルデバイスの「Apple」、SNSの「Facebook」、ネットショッピングの「Amazon」の頭⽂字を集めた呼称。コミュニケーションやビジネスの形を根底から変えた4つの企業が、多くの個⼈の振る舞いや生活そのものにも大きな影響を及ぼしている。

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仮想通貨/ダークウェブ

インターネット上で通貨と類似の機能を果たすもので、代表的なものがビットコイン。ブロックチェーンと呼ばれる偽造防止技術が使われている。1⽉に起こった仮想通貨NEM の流出事件では、隠れた秘密の場所にあるため匿名性が徹底された「ダークウェブ」で流出通貨が販売されたことで、犯⼈の特定が困難になったといわれている。

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カメ⽌め

上⽥慎⼀郎監督の映画『カメラを⽌めるな!』(カメ⽌め)は制作費300 万円の低予算作品。「ソンビ映画を制作するクルーが、撮影中に本物のゾンビと遭遇。リアリティーを求める監督は撮影を続⾏して…」という物語だ。2017 年11 ⽉の先⾏公開時から口コミで人気が徐々に拡大。300を超える映画館で上映される⼤ヒットとなった。

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災害級の暑さ

7月23日に埼玉県熊谷市で41.1度を記録し、国内最高気温が5年ぶりに更新されるなど、7月中旬から下旬にかけて猛暑が続いた。気象庁の予報官は同23日の記者会見で「命の危険がある温度。ひとつの災害であると認識している」と語った。総務省消防庁によると、7月16~23日の1週間に救急搬送された熱中症患者は全国で2万2647人に上り、60人以上が死亡した。

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埼玉県熊谷市で国内の観測史上最高気温を更新し、記者会見する気象庁予報官=2018年7月23日、東京・大手町(時事)

翔タイム

プロ野球の⼤⾕翔平選⼿が、米⼤リーグのエンゼルスに移籍。米国でも“二刀流”を貫き、投⼿では初登板初勝利、打者では3試合連続本塁打を記録するなど大活躍した。現地の実況アナが⼤⾕選⼿の活躍時に「翔タイム(ショータイム)」のフレーズをたびたび使ったほか、「オオタニサン」と絶叫するシーンも注目を集めた。

インディアンス戦の3回、2打席連続本塁打となる同点ソロを放つエンゼルスの大谷翔平=2018年8月3日、アメリカ・クリーブランド (時事)

そだねー、もぐもぐタイム

平昌五輪の女子カーリングで、日本の代表チーム・LS北⾒が銅メダルを獲得。同競技では男女通じて初のメダルで、大いに注目された。選手たちが試合中に声を掛け合う際に使う北海道弁の「そだねー(そうだね)」が流行語となったほか、試合中盤の休憩・軽食の時間が「もぐもぐタイム」とファンの間で呼ばれるようになった。

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ダサかっこいい/U.S.A

ダンスボーカルグループDA PUMP(ダ・パンプ)が新曲としてユーロビート曲『U.S.A.』のカバー(原曲は1992 年)を発表。⼀⾒格好悪くダサいと思わせるが、実はクオリティーの高い本気のパフォーマンスで、特にサビの「いいねダンス」が話題になった。

Tik Tok

中⾼⽣の間でTik Tok(ティックトック)が流⾏した。中国企業バイトダンスが2016年に公開した動画共有アプリで、⼈気投稿者はtik toker(ティックトッカー)と呼ばれる。特徴は、⽤意された⾳楽や⾳声に合わせ15 秒のパフォーマンスを撮影・投稿できること。プリクラのように⾃動で顔を盛る(加⼯する)ことも可能で、全⼒で照れ顔やニヤケ顔などを披露する「#全⼒顔」など、ハッシュタグを起点として流行が拡散した。

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