今日より明日、今年より来年、毎日がスタートラインの人生

テコンドーで鍛えた肉体美と運動能力、バラエティー番組で磨かれた現場対応力と流ちょうな中国語での軽妙なトーク、二枚目と三枚目が混在し、視聴者から愛されるキャラクター、裏方の経験による制作スタッフへの気遣い、グルメ番組で得た食に関する豊富な知識、それらの総合力が夢多の今につながっている。また最近、口述筆記による自伝『叫我真男人』も出版し、モデル、俳優、司会者など、マルチタレントとしてまさに旬を迎えている夢多だが、現在の本人の立ち位置を問うと、次のように明確に定義してくれた。

「雖然我是日本人,但是我是台灣藝人(自分は日本人だけれども台湾の芸能人です)」

今後は中国や香港、その他の中華圏でも活動の枠を広げ、日本も含めてアジア全体を見据えていきたいと語る夢多に、日本への「逆輸入」の可能性について水を向けると、即座にそれを遮り、こんな答えが返って来た。

「自分は『逆輸入』という言葉が大嫌いです。こちらが本家という上から目線を感じます。自分は最初から海外で骨を埋める覚悟で来ています。どこにいてどこで活動しようと自分は自分。今日より明日、今年より来年。自分にとっては『毎日がスタートライン』、それだけなのです。」

提供:夢多

3年前に他界した夢多の父は陸上の短距離選手で、400メートル走の宮崎県の記録保持者だった。その父は1964年の東京オリンピックの聖火ランナーを務めていた。夢多自身も98年の長野オリンピックの聖火ランナーを務めている。父から息子へ受け継がれたアスリート魂は、姿を変えて台湾という土地で開花した。当面の目標は「3年以内に『金鐘奨』のバラエティー番組部門の最優秀司会者賞を取ること」と断言する夢多。今日も新たなスタートラインに立っているはずの彼が、台湾の芸能界で金メダルをつかむ日も、そう遠い未来ではないだろう。天国の夢多の父が誰よりもその日を楽しみにしているはずだ。

バナー写真提供=夢多