身近に忍び寄る感染で高まる危機意識
多くの駐在員やロングステイ中の日本人が暮らす首都クアラルンプールやジョホールバルでも、レッドゾーンに指定される地区は点在する。マレーシアに暮らす約2万人の日本人を含め、外国人駐在員や留学生らにとっても、わが身に明日にでも降りかかるかもしれない深刻な事態として受け止められている。
筆者の住むクアラルンプール中心にあるコンドミニアムでも、新型コロナウイルス陽性患者が確認された。それを知らされたのは、買い出しに行くためにエレベーターに乗った際、大きく貼り出されていた注意喚起の張り紙だった。そこには、筆者と同じタワー(棟)で陽性患者が発生したこと、その患者が直近でコンドミニアム内にあるコンビニエンスストアに毎日通っていたこと、そのコンビニエンスストアの消毒は厳重に行われたことなどが、事細かに記されていた。
ちなみに、コンドミニアムのエレベーターを利用した際に一歩足を踏み入れると、先に乗っていた医療用マスクを装着したマレーシア人女性が、慌ててぐいっと後ずさりをした。狭いエレベーター内でもソーシャルディスタンスを保つため、足元に黄色いテープが貼られ、利用者同士が距離を保つようになっているのだ。情報が小まめに共有される厳格ぶりは徹底しており、住民の意識もこの1カ月超で急速に高まっているのを肌でひしひしと感じる。
3月27日には、クアラルンプール中心部から車で15分ほどの高級住宅街モントキアラで、警察の注意を無視してジョギングを続けたとして、日本人4人と米国人、英国人、韓国人など合わせて11人が拘束される事案が発生した。地元警察によるとジョギングをしていた11人は「警察の警告を聞き入れず、逮捕を避けようと不合理な言い訳をした」とされている。
クアラルンプールに住む日本人駐在員の男性は、「あくまで私たちは、マレーシアに住まわせてもらっている外国人。現地の人たちが必死になって感染抑制に向けた努力をしている中で、迷惑を掛けることは避けなければ」と話す。