日台ハーフの「台中六十五」
島根に根を張った台中65号は、今年でもう4年目に入った。今年の台中65号の収穫も目前だ。木次酒造の後、私は島根県の板倉酒造を経て、今は佐賀県の宗政酒造にいる。台中65号の栽培や各地の酒造での異なる醸造経験からは、技術だけでなく、皆さんの醸造哲学を学んだと思っている。
台中六十五の醸造のために、私は、毎年クラウドファンディングサイトで日本と台湾から資金を募っている。台中六十五が日台ハーフと言えるのは、酒米と技術だけでなく、日台の多くの人の助けのもとに完成したという点でも同じだろう。私は、台中六十五が日本と台湾を結ぶ酒になることを願っている。そしてより多くの人に蓬莱米の物語を知ってもらい、日台の食文化において食事の基本要素である「米」にも深いつながりがあることを知ってもらいたいと思う。
この3年間、毎年異なるテーマを持っていた台中六十五は、さまざまな清酒品評会で賞を獲得してきた。今の私の願いは、遠くない将来、自分の酒蔵を持ち、技術を伝えるとともに醸酒業と地域文化のつながりを深めていくことである。
台湾人に島根県と日本酒業界をより深く知ってもらうために、毎年、島根県では酒造団体による台湾人を対象としたツアーを実施している。このツアーでは島根の酒造や神社を巡っているが、今年は新型コロナウイルスの影響で中止となってしまった。1日も早く日常を取り戻し、日本酒業界も以前の活気が戻るよう願うばかりである。
台中六十五 受賞記録
2019年 ロンドン酒チャレンジ 純米吟釀部門 銀賞
2020年 南部杜氏自醸清酒鑑評会 純米酒部門 優等賞
2020年 フェミナリーズ世界ワインコンクール 日本酒純米吟釀部門 銀賞
2020年 KURA MASTER 純米酒部門 プラチナ賞
2020年 ロンドン酒チャレンジ 純米吟釀部門 金賞×2 銅賞
2020年 全米日本酒歓評会 吟醸部門準グランプリ、山廃特別賞
バナー写真=台中65号の水田と筆者、2017年(筆者提供)

