江戸木箸 大黒屋:手になじむ納得の一膳が見つかる店

「江戸木箸 大黒屋」の主人・竹田勝彦さんは、もともと食器問屋のセールスマン。仕入れた箸(はし)の使いにくさが気になっていたが、職人に相談して作り直しても、理想どおりの箸ができ上がってこない。ならば、自分で作ろうと決意したのが20年前のこと。今では、全国にその名が知られる箸職人だ。

オリジナル作品の中でも、とくに、大黒屋の“七角削り箸”は、他では手に入らない名作といわれている。箸は親指、人差し指、中指ではさんで使う道具。この3本の指の角度にしっくりとおさまるのが七角形や五角形の箸であり、竹田さんはこれを「奇数の美学」と呼ぶ。本来、360度の丸い棒を、割り切れない「7」で均等に削るのは不可能だ。しかし、竹田さんが長年の技を駆使すると、一本の棒から美しい七角がみごとに切り出されていく。

良い箸は、おいしいものを、より一層おいしく感じさせる。竹田さんは、食べ物を口に運ぶ箸(はし)を、「命の橋(はし)渡しをする道具」と呼んでいる。

七角削り箸。断面の四角い胴張り型よりも持ちやすく、丸型よりも滑りにくい構造になっている(左)。お客さんが遠慮なく握って、使い心地を確かめられるように、箸は袋に入れずに店頭に並べられている(右)。
作業場と店舗は離れているが、運がよければ、仕上げのカンナがけを見ることができる(左)。東京スカイツリーの高さ634メートルにあやかって、箸先に向かって六角、三角、四角に削られた箸の芸術品。指が当たる部分は持ちやすい三角形。東京スカイツリーの展望レストランでも使われている(右)。

 

「私がご案内します」ご主人・竹田勝彦さん。

江戸木箸 大黒屋

http://www.edokibashi.com/

東京都墨田区東向島2-3-6
(東武線曳舟駅から徒歩3分、京成線京成曳舟駅から徒歩7分) 03-3611-0163
営業時間/10:00~17:00
定休日/第2・3土曜・日曜・祝日

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取材・文=佐々木 香織
撮影=山田 愼二