【見つけた!アジア(3)】中国帰りの僧が残した“最初の一歩”

中国大陸に渡航した日本人が、再び祖国の地を踏んだのもまた博多・福岡だった。彼らが持ち帰ったものの一つが仏教で、JR博多駅周辺には “日本最古”の古刹がいくつも残っている。このような寺院はその昔、広域にわたり並び建っていたとも言われている。街の喧騒から離れ、心穏やかに寺院めぐりが出来るのも博多・福岡の魅力だ。

最初に訪れたのは、東長寺。中国から真言密教を伝えた空海が806年、ここで密教東漸を祈ったとされる。空海が開いた寺としては日本最古。ここの福岡大仏は、日本一の大きさを誇る木造座像と聞き、さっそく拝見。境内に再び出たところで、そろいの衣装に身を包むお地蔵さんが目に入った。「博多祇園山笠に合わせ、毎年この時期だけこの柄を着せています。寺の仏さんも一緒に祭りに参加したらどうかと思いましてね」とご住職。

福岡大仏。
お地蔵さんのスタイリッシュな法被姿。

次に行ってみたのは、東長寺の敷地と通りを挟んで斜向かいにある聖福寺。こちらは日本最初の禅寺(創建1195年)だ。「源頼朝公から土地をもらい、栄西(ようさい)禅師が開きました。九州でも数少ない坐禅(ざぜん)の修行専門道場で、雲水(若い修行僧)さんが現在もここで学んでいます」と寺務所(じむしょ)で教わった。一般人の体験も受け付けているが、最低でも一年間通うことが条件で、現在は30~40人が参加しているとのこと。緑豊かな境内は、近くのオフィスワーカーも訪れる憩いの場になっているとか。

禅寺の七堂伽藍配置をとどめている境内は国指定の史跡。
ピカピカの床を見たG。「日本のお寺は清掃が行き届き、埃がありませんね」。

最後にお邪魔したのは、聖福寺からさらに徒歩で数分の承天寺。大陸から伝来した品々の碑があることで知られる。饂飩(うどん)、蕎麦(そば)、饅頭(まんじゅう)などだ。こんなにたくさん、博多のこのお寺に? 饂飩については各地に“伝来の地”があるが、同寺によれば、博多が他と違うのは、この寺に迎えられた聖一国師が製粉技術を大陸から持ち帰ったこと。粉が大量生産できるようになり、一般の人々にもこれらの食べものが広まったのだそうだ。

大陸から伝来した品々の碑。
「寺院のある街並みが古くから都市計画に生かされていれば、現在の京都にも勝る一大歴史エリアが残されていたのではないでしょうか」(承天寺の圓翔さん)。