美しく優雅に舞うタンチョウは、日本人にとって特別な思い入れのある鳥である。“絶滅” の危機から徐々に回復、環境省のレッドリストから除外された。
絶滅の危険度は小さい
環境省が絶滅の恐れがある野生生物をまとめた「レッドリスト」の改訂版を3月17日公表、国の特別天然記念物に指定されているタンチョウは、個体数の回復に伴い、絶滅危惧種から除外され、1段階下の「準絶滅危惧(現時点での絶滅危険度は小さい)」となった。
タンチョウは明治期の乱獲で絶滅したと考えられていたが、1924(大正13)年に釧路湿原の奥地で数十羽が生息しているのが発見された。「釧路のタンチョウ」が国の特別天然記念物に指定された52(昭和27)年度の越冬調査で確認されたのは33羽だった。その後、鶴居村、旧・阿寒町(2005年に釧路市に合併)を中心に有志による保護活動、給餌活動がさかんになり、2024年度(2025年1月下旬)の調査で1927羽が確認され、絶滅リスクは低いと評価された。
タンチョウは東アジア、ロシア南東部に生息する大型のツル。「鶴は千年、亀は万年」といわれ長寿を象徴し、縁起物として家紋、のし紙、水引などの意匠にも用いられるなど、日本人にとってはなじみ深い鳥だ。江戸末期の浮世絵師・歌川広重の「名所江戸百景」には江戸に飛来していたタンチョウが描かれており、かつては本州にも生息していたことが分かる。ちなみに漢字では、「丹=赤」「頂=頭」を合わせて「丹頂鶴」と表記する。
【資料】
- 北海道庁「タンチョウのページ」
- 環境省「第5次レッドリストの公表について」
バナー写真:フォトAC



