長門を代表するグルメとして「やきとり」と「かまぼこ」の2つが挙げられる。どちらも、古くから長門の人々に愛されてきた馴染み深い食べ物だ。

生活に密着した庶民の味、「やきとり」

長門は、「全国7大やきとりタウン」の1つとして数えられるほど、やきとり店が多い。それは、養鶏場とやきとり店が同じ地域にあり、新鮮な鶏肉が手に入りやすいことが理由の1つだ。

82歳の2代目女将(おかみ)が切り盛りする、長門で一番古いやきとり店「こうもり」。鶏の腹から取り出した殻のない卵など、新鮮な鶏肉が手に入りやすい長門ならではのメニューも揃う。

長門の老舗やきとり店「こうもり」では、遠方から訪れるお客さんが後をたたない

また、昨年オープンしたばかりのお店「ちくぜん総本店」では、珍しい長州どりのモツのほか、豚バラで巻いたオクラ巻きなど、鶏以外の食材を使用した多彩な創作串があるのが特長だ。

ちくぜん総本店では、一味違ったやきとりメニューが楽しめる

また長門では、「全国やきとリンピック」や「西日本やきとり祭り」など、全国各地のやきとり店が集まるお祭りも開催されており、毎回多くの人たちでにぎわう。やきとりは長門の人々にとって、欠かせない存在なのだ。

お祭りでは大量のやきとりが一度に焼かれる(写真提供=(一社)長門市観光コンベンション協会)
過去に行われたお祭りの様子(写真提供=(一社)長門市観光コンベンション協会)

長年愛され続けてきた「かまぼこ」

魚の身をミンチにして固め、焼いた食べ物が「かまぼこ」。1115年の文献にも載っており、約900年間、人々に愛されてきた。港町である長門市仙崎では、かつては30軒以上のかまぼこ会社が立ち並んでいた。この地域で作られるかまぼこは「仙崎かまぼこ」と呼ばれ、お土産品として人気だ。

かまぼこの製造工程は会社によって異なるが、「大和蒲鉾」では、昔ながらの製法でかまぼこを作っている。原料となる魚「エソ」を手作業でさばいて丁寧に洗い、いくつもの工程を重ねながら、細かくすりつぶしていく。生魚を使用しつつ、常に同じ状態の製品を作り出すには、熟練の技が必要だ。板に載せて成型し、焼き上げたかまぼこは「焼き抜き蒲鉾」と呼ばれており、弾力のある独特な歯応えが特長だ。こうした食文化が根付いているのも、長門に漁港や養鶏場などがあり、新鮮な食材が手に入りやすいからこそである。

かまぼこの材料の中心となっている魚、エソ。この魚をさばいて身をすり潰し、かまぼこは作られる。
昔ながらの製法でかまぼこを作っている「大和蒲鉾」での、さばいた魚の身を練る工程。1時間近く掛けて攪拌(かくはん)することで、魚の身がムース状になる
柔らかくなった身を板の上に載せ、形を整える。この後、加熱させて、かまぼこが完成する。
「焼き抜きかまぼこ」(写真左)、ちくわやひら天(写真奥)、中には、かまぼこフライを挟んだハンバーガー(写真右)を出しているお店もある。

心を癒やす温泉に、感動を与えてくれる絶景、胃袋を誘惑する2つのグルメ。豊かな自然に恵まれた長門は、心と身体を満たしてくれる要素が数多く存在する魅力的な土地なのだ。

取材・文=「月刊タウン情報トライアングル」編集部

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