かっぱ橋道具街(東京都台東区)の老舗・飯田屋で訪日客に人気の「和の料理道具」を紹介する。しょうゆやみそに興味を持った観光客が、これを機に自国でも日本の味を楽しんでくれたら。
ピタッと止まり、かけ過ぎない
「おそらく、最初はすし屋じゃないかと思うんです」。そう話すのは、飯田屋の6代目社長・飯田結太さん。すし屋でしょうゆ差しを初めて使い気に入った客が店で見つけて、買っていくのではないかと分析する。「欧米系の人が比較的多いので、しょうゆに限らず、オリーブオイルやビネガーを入れているかもしれませんね」
人気があるのはプッシュ式。押した分だけ、ぽたぽたと垂れるので、かけ過ぎることがない。日本では飲食店でよく見かけるが、海外ではまだ珍しいようだ。
「この棚を眺めて目移りするのか、こちらもよく売れます」と示すのは、一見ほかのしょうゆ差しとあまり変わらない瓶。黄色いPOPには「究極にタレにくい!」とある。
東京・渋谷のデザインオフィスが、青森県の伝統工芸品「津軽びいどろ」を作る老舗ガラス工房とタッグを組み開発した商品。目指したのは“世界一美しい、液だれしないしょうゆ差し”。ふたも本体も、透明度の高いクリスタルガラス製。秘密は、ふたに彫った溝にある。傾けると中の液が溝を伝い出て、縦に戻すとピタッと止まる。しょうゆが垂れて本体やテーブルを汚すこともない。
安定のみそ汁が楽に作れる
和食の調味料といえば、みそに興味を持つ外国人も少なくない。みそ汁1人前に使うみその量は、大さじ1杯程度。「これなら計る手間が省けます」と飯田さんが紹介するのは「みそマドラー」。
金属製の棒の両端には、ワイヤーを加工したサイズ違いの球体が付いている。この部分をみそ容器に差し込み、くるっと回して引き抜くと、小さい方はみそ汁1杯分、大きい方は2杯分のみそをすくい取れるという優れモノ。そのまま鍋に入れて溶き混ぜることができ便利。ミニ泡立て器として、ドレッシング作りなどにも活用できる。
棒と球体の接続部は、水が入らないよう中栓で密封・固定されている。金属加工で有名な新潟県・燕三条のメーカー製。「こちらを購入するのは、比較的アジア圏のお客さんが多いですね」
外国人観光客が和食文化に触れたことをきっかけに、料理に関心を持ち、道具を手に取る。そこからメイド・イン・ジャパンの技術や“ものづくり”精神に興味を抱く。日本への理解が、そんなふうに広がっていくといい。
【今、訪日客に売れている!ひと味違う「和の料理道具」10選】
撮影=野村和幸(特に記載のある画像を除く)
バナー写真:しょうゆ差しとみそマドラー





