日本一の硫黄泉・高湯温泉
もう一つ、福島の湯は、小さいけれど、湯がいい温泉地が多い。その中でお勧めするのが、高湯温泉と土湯温泉だ。
高湯温泉は、じゃらんリサーチセンターが行っている毎年恒例の「人気温泉地ランキング」の2018年版の投票結果によれば、旅行に行った人の満足度ランキングは総合温泉地部門で満足者の割合97.1%で2連覇を達成した。
調査は宿泊予約サイト「じゃらんnet」の利用者を対象に昨年8月に行い、全国327温泉地から選択。回答数は1万2017人というから、かなり客観的な数字であろう。
なぜ、高湯がいいのか。それは行けば分かる。とにかく「日本一の硫黄泉」とも称される乳白色の濁り湯の漬かり心地が最高なのだ。
高湯温泉は磐梯朝日国立公園のすぐ近くで、県庁所在地である福島市から車で30分ほど磐梯山の方に走ると山あいにひっそりと現れる小さな湯治場だ。
私が訪れた時は大雪に見舞われていたが、露天温泉の外に広がる一面の銀世界と、白濁したお湯がマッチして、幻想的な美しさの中で湯を楽しむ幸運に恵まれた。
その湯の良さは日本政府のお墨付きで、実際に環境大臣によって「温泉利用の効果が十分期待できる保養地」として、温泉法に基づき国民保養温泉地に認定されているほど。国民保養温泉地に選ばれるためにはさまざまな条件をクリアしなければならない。全国でたった97カ所しか選ばれていない。
高湯の湯には、こんな効用がある。
<高血圧症、動脈硬化症、末梢(まっしょう)循環障害、リウマチ、糖尿病、慢性中毒症、にきび、しもやけ、やけど、切り傷、婦人病、不妊症、水虫、あせも、胃腸病、神経痛、慢性湿疹、便秘、脱肛(だっこう)、皮フ病、手足多汗症、アトピー性皮膚炎>(高湯温泉旅館協同組合のホームページより引用)
開湯の歴史は400年前。その間にも多くの人に湯治湯として親しまれてきた実績もある他、江戸時代のころから「一切の鳴り物を禁じる」という方針があり、風俗などが入ることを許さなかった。その歴史を引き継いでいる高湯温泉には13軒しか宿泊施設がなく、鄙(ひな)びて落ち着いた「湯治場」の雰囲気を醸し出している。


