SNSに性別変更前の写真や氏名を掲載され、トランスジェンダーだと暴露される「アウティング」の被害に遭ったとして、台湾出身の芥川賞作家、李琴峰さんが村松裕美甲府市議に慰謝料など550万円を求めた訴訟の判決が29日、東京地裁であった。本村洋平裁判長はプライバシー侵害に当たるとし、市議に110万円の賠償を命じた。
判決などによると、市議は2024年5月、李さんについて「身体が男性」などと投稿。李さんが性別変更する前の未成年時の写真や本名が掲載された第三者の投稿も引用して公開した。2人に面識はなかったという。
本村裁判長は投稿された情報について、「原告の身体的性別や性自認と密接に関わるものとして秘匿されるべき必要性が高く、公表すべき合理的な理由があったとは言えない」と指摘。李さんのプライバシーを違法に侵害したと認めた。
判決後の会見で、李さんは「うれしさや喜びの感情はあまりなく、裁判が必要だったこと自体おかしいと思う。真摯(しんし)に反省してほしい」と話した。
市議は「(今後の対応は)弁護士と話し合う中で決めたい」とのコメントを出した。
李さんは21年に「彼岸花が咲く島」で芥川賞を受賞。その後、性別などに関して不特定多数から誹謗(ひぼう)中傷を受けたとして、24年11月にトランスジェンダーであることを公表した。
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