サイクリストのためのインフラ整備が必要

しかし、環島の日本普及への障害は、なお少なくない。一つは縦割り行政の中で、コースの整備が遅々として進まないところだ。この10月、台湾からチームが訪れ、琵琶湖一周を走ったのだが、日本自転車新文化基金会の会長で、GIANTの前CEOのトニー・ロー氏が、車道と歩道のすき間に乗り上げて転倒し、右膝を十数針縫う大けがを負った。

これは、サイクリングロードの整備がまだまだ不足していることを如実に示したケースとなった。日本においては、車道と歩道と自転車道の関係があいまいで、道路と歩道を隔てるコンクリートなどの路側帯の存在も、サイクリストにとっては安全走行の障害となる。

また、四国一周「環四国」についても、一般道の併用が中心だが、ブルーラインが引かれているところがまだまだ少なく、途中のサイクリスト支援の施設もこれから。4県の足並みが十分にそろっていない部分もある。

台中市から出発する追風騎士団(撮影:野嶋 剛)

台湾を走ってみるとはっきりするのだが、台湾では数百メートルごとに「環島1号線」の看板があり、旅行グループに参加しなくても、台湾を1周しやすいようになっている。しかし、日本では、琵琶湖でも四国でも、1周ルートの掲示はまだ十分に行われていない。

休憩して、飲料水や軽食、エア入れなどを提供する「補給所」も一定の距離をおいて設置されることが望ましい。台湾の場合、その役割を果たしているのが、24時間オープンが原則のサイクリスト用補給・休憩スポット「鐵馬驛站」だ。台湾では自転車のことを「鉄馬」とも呼ぶ。台湾では、環島1号線沿いにおよそ20キロごとに「鐵馬驛站」が設置されている。警察署の場合もあれば、使われていない駅舎の場合もある。コンビニエンスストアが使われる場合もある。そこには、水と空気入れ、トイレがあり、休憩もできる。宿泊施設となっている場合もある。サイクリストからすれば大変ありがたい施設だ。