日本では国籍の表記でつまずく
台湾での手続きが完了すると、今度は3カ月以内に日本での結婚手続きを行わなければならない。夫の来日に先立って私の本籍地の役所へ出向き、必要書類に関して確認。この際に一つ問題が浮上した。婚姻届の夫の国籍を「中国」と書かなければならないということだ。
1日目は説明だけ聞いてそのまま帰宅したが、納得がいかず数日後にもう一度役所へ向かった。中国と書かなければならない根拠を示してもらったが、到底納得のいくものではなかった。夫は台湾で一番古くから住んでいる人々であり、彼らとは関係がない中国と書くことを夫のアイデンティティーが許さなかった。窓口担当者も初めは逃げ腰だったが、私の押しと粘りと熱弁に少しずつ動かされ、法務局に国籍を「台湾」と記入していいかどうか確認を取ってくれた。回答が来るまでの間、担当者はインターネットで個人的にいろいろ調べていたようで、何だか台湾や先住民族に興味を持ってくれたように感じた。そして法務局からの回答で、記入は「台湾」でよいが、入力時に「中国」と読み換えるとのことであった。戸籍法がそうであるのでやむを得ない。お互いに最大の譲歩をした形で合意に達した。そしてまた行き違いが発生してはいけないので役所にあらかじめ婚姻届を提出する予定日時を伝え、来日した夫とそろって役所へ向かい、夫の戸籍謄本と日本語訳文を付けて提出し、受理された。法務局での手続を経て約1週間後、私の戸籍謄本には夫の国籍は「中国」と記載されていたが、「婚姻の方法」という項目には「台湾の方式」とあった。こうして無事に日本での結婚の手続きは終わった。