音楽にのめり込むきっかけは長渕剛
大竹研は中学生までは野球少年だった。小学生の頃にピアノを習ったことはあったものの、音楽に慣れ親しんだとまでは言えなかった。そんな大竹が音楽に引かれるようになったのは、中学2年生の時に聴いたシンガーソングライターの長渕剛がきっかけだった。その後、ロックバンド、Boøwyの布袋寅泰の演奏に衝撃を受けてからは、完全にギターの虜(とりこ)となった。
「高校の入学祝いに買ってもらったヤマハのアコースティックギターを同級生の持っていたフェルナンデスのエレキギターと交換してもらい、そのままガンズ・アンド・ローゼズ、ヴァン・ヘイレンなどのハードロックにのめり込んでいきました」
しかし、大学の軽音楽部に所属してからは、ジャズやヒップホップも含め、あらゆるジャンルの音楽と親しむようになる。大学3年の年に、プロギタリストになる決心をすると、ジャズギタリストの布川俊樹の門を叩き、ギターを学びながら布川の付き人となった。大学を卒業してからも、電話オペレーターのアルバイトで食いつなぎ、ギタリストの夢は手放さなかった。そして、1999年に布川の新譜発売ツアーで、プロのギタリストとして初めて舞台に立った。
大竹がもう一人師事したギタリストの津村秀明からは、クラシックやアコースティックギター、音楽理論の手ほどきを受けた。プロとして、原点からギターという楽器を学び直す必要を強く感じたからだ。すでに実践を積んできた大竹は自ら「真綿が水を吸うように」と形容するように、津村の教えを吸収した。
ちょうどこの頃、米国ボストンのバークリー音楽大学で教べんを執るブルースギタリストのトモ藤田の存在を知り、バークリー留学を志すようになる。津村の励ましもあり、生活費を切り詰め、アルバイトで資金をつくり、ついに2002年5月から奨学金生としてバークリーへの入学が決まった。その前年の01年秋には事前調査も兼ね、2カ月間ボストンに語学留学もした。全てが順風満帆に見えた。しかし、結局大竹はバークリーには行かなかった。一人の男との出会いが理由だった。
