2 財政悪化の原因は?

3つの赤字原因

2010年度経済財政白書によると、赤字要因を次の3つに区分している。具体的には、(1)景気の悪化による名目成長率の低下がもたらした税収の減少、(2)債務の利払い費の増大、(3)減税、公共投資拡大など政策的要因――である。(*3)1990年代は政策要因と景気要因で赤字が拡大した。バブル後の不況対策としての政府支出が増大し、1999年以降は急速な景気の落ち込みで赤字を拡大させた。歳出の中身を見ると、2000年以降、公共投資は減少しているが、社会保障費が一貫して増加し、その幅が拡大している。歳入は、景気に最も敏感である法人税の落ち込みが大きい。景気に影響されないとされる消費税などの間接税も2008年度には大きく落ち込んだ。

この結果、OECD(経済協力開発機構)による国際比較で見ると、長期国債残高に社会保障基金などの債務を含めた日本の一般政府債務残高は1997年にGDP水準を上回って以来増大し、2011年度にはGDPの2倍以上に膨らんでいる。これは、米国の98.5%、英国の88.6%の2倍以上に相当し、イタリアの132.7%をも上回っている(図4)。(*4)

出典:財務省ウェブサイト「日本の財政を考える」

米国のオバマ大統領は財政赤字の大幅な削減に取り組み、英国もキャメロン首相のリーダーシップの下で厳しい歳出削減と国民の負担増を求めている。日本の国民負担率(国民所得に占める租税負担率と社会保障負担率の合計)は、2008年度に租税負担率24.3%、社会保障負担率16.3%の合計40.6%となっている。スウェーデン59.0%、ドイツ52.0%と比べてもOECD諸国の中では低い水準である(図5)。 (*5)

出典:財務省「OECD諸国の国民負担率(対国民所得比)」

債務残高については、資産を差し引いた純債務で比較すべきであるとの見方がある。資産は国民の保険料による年金積立金などだが、これらは将来の使途が決まっている。債務からこうした資産を差し引いた純債務残高で見ても、2011年度の日本はGDPの120.4%と先進国の中で最大の純債務国である。