先輩らが築いてきた交流の場
そうした、複雑な社会状況下で、「なでしこ会」の前身である「大根の会」が1975年に設立された。当時は日本人妻同士で交流する機会は少なかったが、たまたま知り合った日本人妻7人が国際結婚家庭が持つ悩みを共有し助け合っていこうと結成。その後、外国籍配偶者の立場を劇的に改善した「居留問題を考える会」、日台婚姻家庭の子供のバイリンガル教育を担う「台北日本語補習校」(参考:増加する日台国際結婚とバイリンガル教育のこれから)、母乳育児支援の「ねねの会」など、わたしを含めて今現在、台湾で暮らしている日本人配偶者の生活に大きく貢献している団体は、「なでしこ会」を母体として生まれ、巣立っていった。
後編では、「なでしこ会」より派生し、現在の在台外国人の社会保障制度の整備に尽力してきた「居留問題を考える会」のこれまでの活動にスポットを当てながら、現在に至るまでの日本人妻たちの歴史をみることで、外国において社会の一員を担うことがどういうことなのか、またそこから、日本が現在抱えている移民問題についても、考えてみたいと思う。
バナー写真=「大根の会」の創立メンバーで、「なでしこ会」会員番号1番でもある松下道子さんの、宜蘭出身の男性との結婚写真。松下さんは当時ファッションデザイナーとして台湾で活躍しており、ウェディングドレスも自身のデザインによるものだった(筆者撮影)
参考資料
- 『海を越えたなでしこ』(本間美穂・著/日僑通訊出版/1999年)
- 『国際結婚の諸相』(竹下修子・著/学文社/2004年)
- なでしこ会だより(なでしこ会発行)
- 臺灣日日新報
