移行期ゆえの課題も浮上

台北市から始まった公園再生が台湾各地に波及するなか、徐々に課題も見えてきた。

台北市の公園路燈工程管理處・南港公園管理所で股長を務める許耀仁さんによれば、これまでにない新しい遊具に対して「危ない」と感じる保護者が少なくないという。

たとえば複数人で遊べる回転遊具は、大きな子の回すスピードについていけず、小さな子が振り落とされてしまうことがある。ターザンロープに至っては、そもそも正しい使い方が分からないという声もあった。こうした声には、ガイド動画を作成したり、休日に遊び方教室を開いたりして対応しているという。

新しい遊具は維持管理にも手がかかる。既製品からオーダーメードに変えたり、挑戦性の高い遊具を導入したり、使用頻度が上がったりしたことで、よりきめ細やかなメンテナンスが必要となった。

メンテナンスのため、使用が禁止された南港公園のターザンロープ。自力で体を支えられない人や、体の小さな子どもでも遊べるよう、ベルトがついている(筆者撮影)
メンテナンスのため、使用が禁止された南港公園のターザンロープ。自力で体を支えられない人や、体の小さな子どもでも遊べるよう、ベルトがついている(筆者撮影)

公園が評判になり、多くの人が押し寄せるようになると、駐車場やトイレの不足問題も起こる。先の古鐘楼公園も、オープン当初、予想をはるかに上回る人出があり、周辺に車の行列ができたため、慌てて駐車場を整備したという。

そして、誰しもを包摂する「インクルーシブ」を標榜(ひょうぼう)しながら、青少年をうまく取り込めていないことが目下の課題だ。スケートボードやパルクール、ボルダリングなど、青少年が体を動かせる設備もつくれればと考えているそうだが、台北市では今のところ実現には至っていない。

許さんは、「今はまだ過渡期。外国から入ってきたインクルーシブの概念をローカライズしながら、周囲の人たちと一緒に公園を育てていく必要がある」と語る。