料理に国境なし。その土地の風土に合わせて現地化されるもの
話は変わるが、台湾は歴史的背景も手伝って、日本料理は幅広く受け入れられている。ちまたの日本料理店の数も非常に多い。しかしながら、その多くは台湾式の日本料理と呼ばれるもので、味付けや盛り付けも、本場の日本のものとは異なる場合もある。そのことに話を向けると、山下からこんな答えが返ってきた。
「そもそも料理には国境がありません。自分自身も元はフランス料理を作る日本人ですし、自分の作るフランス料理には当然ながら和の要素が入ります。伝統は大切ですが、その国の土壌で独自に育まれるものがあっても良いのです」
例えば日本の「洋食」はその典型で、フレンチやイタリアンをベースにしつつも、繰り返し改良され、継承され、既に日本の食文化の立派な一つのジャンルになっている。したがって、大判焼きに切り干し大根を詰めたり、たこ焼きにわさびソースを塗ったりする台湾スタイルも大いにありなのだ。食文化は常にお互いに影響を与え合い、混成し、その土地の風土に合わせて現地化していく。
