離島の病児を支える「がじゅまるの家」
沖縄県や鹿児島県の奄美群島地域では、高度医療が受けられる病院が限られているうえに、交通の便も十分ではない。離島や県北部から通院や入院治療する病児とその家族が、「経済的な負担は小さく、家庭的な雰囲気の中で安心して滞在できる施設を」との思いから「がじゅまるの家」は開設された。食事の提供はないが、キッチンで自炊することができ、宿泊費は1200円と格安だ。
子ども医療センターは沖縄県内に限らず、奄美大島、徳之島など鹿児島県の奄美群島域からの患者も広く受け入れているため、「がじゅまるの家」も、沖縄県外の利用者が半数近くを占めるという。また、ここ数年増えているのが、外国人の利用だ。
沖縄県のまとめによると、2018年度に訪れた外国人観光客は300万800人で、来沖する観光客全体のほぼ3人に1人に達する。数が増えれば、旅行中に病気になったり、けがをしたりする人も増える。4~5年前には、李さんと同じように、ルクセンブルク在住のフランス人女性が旅行中に出産し、夫と共に4カ月間、「がじゅまるの家」に滞在したことがあった。また、離島域には、結婚移民として来日したフィリピン人女性やベトナム人女性が多く、彼女たちが出産する際にも、「がじゅまるの家」を利用することがある。
利用者の中には、日常的な会話には困らない程度に話せる人もいるが、込み入った話は難しいため、スタッフが知り合いのつてを頼って通訳のボランティアを探すことも珍しくない。「がじゅまるの家」の運営を受託するNPO法人こども医療支援わらびの会の儀間小夜子事務局長は「言葉が十分に通じないところで病院にかかるのは不安な気持ちが大きいものです。母国語で、少しでもおしゃべりができたら、少しは気も紛れると思うのです」と話す。

