タピオカビジネスが急成長
実はタピオカ自体は日本に1990年代に上陸していた。当時は、小粒の白いタピオカをココナッツミルクのなかに入れ、スプーンですくって食べるデザートの一品だった。その後、日本における台湾旅行ブームやインスタグラムなどのSNS効果が相まって、今日のブームとして一気に開花している。
タピオカの売りであるモチモチ食感の正体はどこにあるのだろう。タピオカの原料は、中南米原産で16世紀にアフリカから世界に広まった「キャッサバ(和名:芋の木)」だ。熱帯地域で栽培されるキャッサバの根茎の部分から製造したでんぷんがタピオカの元になる。
現在、全生産量の半分がアフリカで、残りの4分の1ずつが東南アジアと中南米で作られている。アフリカでは「フフ」と呼ばれるキャッサバのでんぷんを餅状にしたものが伝統的な主食となっている。ブラジル生まれで、私も大好きなポン・デ・ケージョもキャッサバのでんぷんを材料としている。
製造直後のタピオカはほぼ無味無臭の半透明だが、黒糖やフルーツシロップで甘味を出したものや、ピンクや青色の食用色素を加えてカラフルに仕上げたものなどが登場している。タピオカドリンクは、空いた小腹を埋めるおやつにもなる。モチモチした独特の食感に多くの人が感動し、人気は台湾国内から香港や中国、米国へと海を渡って広がり、とうとう日本にもやってきた。
成長するタピオカビジネスの裏側で、心配なことも起きている。キャッサバに加工でんぷんを加えたタピオカも少なくないという。工業用に使われる添加物を混ぜる業者が過去に台湾で摘発された。中国でCTスキャンを受けた中国人の胃から映し出された白い粒の正体が、ゴムやタイヤを原材料として作られた偽のタピオカだと判明したこともある。いずれも一部の悪質な業者がやったことではあるが、タピオカのイメージを低下させる不祥事が今後増えないことを願いたい。
日本では、タピリスト、タピラー、タピ活、タピオカ女子など、タピオカに関する造語が続々と誕生している。タピオカドリンクを飲むことを表現する「タピる」という言葉は、「JC・JK(女子中高生)流行語大賞2018」コトバ部門で1位を獲得している。
