良くも悪くも “コロナ慣れ” してしまった現在と比べると、最初の緊急事態宣言が発出されたころは、コロナに対する恐怖心で家の外に足を踏み出すのにも勇気が必要だった。コロナを恐れて、がんを見逃してしまっては意味がない。定期健診を先送りしていた皆さん、次の機会は逃しませんよう!

日本対がん協会などが実施した調査で、2020年にがんと診断された人の数が、19年と比べて9.2%減少していた。調査は全国の大学病院やがん診療病院など486施設を対象に、胃、大腸、肺、乳、子宮頸の5つのがんについてアンケート用紙を送付。21.5%に当たる105施設から回答を得た。

5がん合計の診断数は19年より8154件減少して8万660件。回答率から推計すると、全国では4万件超減少している可能性がある。部位別で19年比で減少幅が大きかったのは胃がんの13.4%、次いで大腸がん10.2%だった。

新型コロナウイルスの感染拡大で第1回目の緊急事態宣言が発令された2020年4~5月にかけては、県境をまたぐ移動や不要不急の外出自粛が全国的に強く求められ、自治体が実施する健診も中止や延期に追い込まれた。未知なるウイルスに対する恐怖心から人の動きは大きく制限され、緊急事態宣言が解除された後も、外出自粛や医療機関の受診控えの心理が働いたことが影響したとみられる。

がんの進行度を示すステージ別でみると、胃がんはⅠ期(初期)が前年比17.4%減で、Ⅱ~Ⅳ期に比べて減少幅が大きかった。大腸がんや乳がんもⅠ期の減り幅が大きく、受診控えによって、自覚症状のない初期のがんを発見しそこねている可能性がある。対がん協会では、「早期がん発見の減少は、進行期になってからの発見の増加につながり、予後の悪化、死亡率の増加につながることが懸念される」と指摘している。

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