「輸入原料」ではなく、「台湾産」
近年、日本にいながらにして台湾に触れる機会が格段に増えた。人気を博したタピオカミルクティーなどの台湾スイーツだけでなく、2019年秋には誠品生活(百貨店)が日本橋にオープンし、天然素材を使用して台湾で人気の阿原(ユアン)の石鹸も手に取って選べるようになった。コロナ禍の影響で2020年は中止になったが、ここ数年夏には台湾フェスティバルが開催されてきた。
台湾の生姜が使われているから、と「岩下の新生姜」を選ぶ消費者は少ないかもしれない。しかし、「岩下の新生姜」が台湾の本島姜があってこそ生まれたように、台湾に触れる機会が増えた今だからこそ、単なる輸入原料と見なすのではなく、台湾産であることに意味や価値を見出す人々が増えていく可能性もあるのではないだろうか。2020年の2月には、日本と台湾の有機食品の同等性が認められ、それぞれで認証を受けた有機農産物に「有機」と表示して輸出入ができるようになった。台湾の農作物に対する認知と理解が進みつつあることを感じさせる。
世界的な新型コロナウイルスの感染拡大は収まる気配はなく、以前のように気軽に、自由に日台を行き来できる日はまだ見えない。その日を心待ちにしながら空の玄関口からではなく、自宅の玄関から、まだ日本で出会ったことのない「台湾産」を探しに出てみることにしよう。
バナー写真=「本島姜」(岩下食品提供)
